━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
高野孟のTHE JOURNAL Vol.543 2022.4.4
※毎週月曜日発行
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
《目次》
【1】《INSIDER No.1146》
空想力だけで言葉遊びをする記事を見抜け/ウクライナ
情勢を理解するための〈頭の体操・その4〉
【2】《INSIDER No.1147》
思いもかけぬ50日余の入院で「人生三毛作目」を授かっ
た!
【3】《FLASH No.448》
岸田首相の「持ち込ませず」答弁は安倍晋三の核共有論
と同等に底が浅い/日刊ゲンダイ3月31日付「永田町の
裏を読む」から転載
【4】《SHASIN 467》写真館
★「閑中忙話」は今週もお休みします。
■■ INSIDER No.1146 2022/04/04 ■■■■■■■■■
空想力だけで言葉遊びをする記事を見抜け/ウクライナ
情勢を理解するための〈頭の体操・その4〉
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
大前研一が「ウクライナ情勢は“アメリカ脳”と“ロ
シア脳”の両方を併せ持っていなければ、的確な判断は
できない」と言い、その“ロシア脳”で考えるとプーチ
ンは「最終的にウクライナを併合しようとしているわけ
ではないと思う」と結論づけているのは、正しい。本稿
が「対自化」と言ってきたのと同じことで、平たく言え
ば複眼的思考ということである。
ところが“アメリカ脳”しか持たない日本のマスコミ
は、プーチンはヒトラー同様の狂気の侵略者なのである
から、キエフを攻略し、ゼレンスキー政権を崩壊させ、
ウクライナを占領してロシアに併合しようとしているに
決まっているという思い込みから状況認識を出発させ
る。「本当にそうかな?」とチェックする“ロシア
脳”が働かないから、単純素朴にそう信じ込み、自分
が“アメリカ脳”の虜になってしまっていること自体に
気がつくことがない。これが「即自化」の罠である。
◆キエフ制圧を諦めた?
最近の興味深い実例は、3月27日に日本のマスコミが
一斉に報じた、ロシア軍がキエフ制圧に失敗して東部の
ドネツク地方の掌握に兵力を集中すべく戦略の転換を余
儀なくされているという現地情勢の分析である。同日の
日経の見出しで言うと「ロシア、焦りの戦略修正」「各
地で苦戦、東部掌握を優先」「首都制圧の目標後退」
で、“焦り”“修正”苦戦“後退”などロシア軍が劣勢
にあることを印象付ける言葉が並んでいる。
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)