今現在のアメリカ経済をクールダウンして高インフレを退治する
ためには、政策金利だけを使うならば、政策金利を5.00%以上
に引き上げなければならないです。
ところが、こんなに高い水準にまで政策金利を引き上げたならば、
おそらくアメリカ経済は深刻なリセッションに陥ってしまうこと
でしょう。
こういった深刻なリセッションを回避しながら高インフレを退
治するためには、
FRBは「金融引き締め」を「政策金利の引き上げ」だけに頼るの
ではなく、「QT(量的金融引き締め)」でマネーサプライをダイレ
クトにコントロールすることを試みる必要があります。
「今回のQT」は、「前回のQT」よりも内容もスピードも厳しい
ものになるでしょう。なぜならば、「今回のQT」は、前回と違っ
て、「政策金利の引き上げ」と同じくらいの「インフレ抑制効果」
が期待されているからです。
今現在のアメリカの8%近い高インフレを沈めるためには、とに
もかくにも、マネーサプライに働きかけることが是非とも必要。
「QT(量的金融引き締め)」は、市場に出回っているマネーサプ
ライをダイレクトに「掃除機が吸収するように」回収します。
「QT」は、その量が大きければ、「政策金利の引き上げ」よりも
「より激しい金融引き締め効果」があるかもしれません。
パウエルFRBでは、3月のFOMCでこの「QT」についてかなり
突っ込んだ議論をしていたようです。
その詳細は、4月6日に公表になる「FOMC議事録」で明らかに
なることでしょう。
この日の「FOMC議事録」の内容次第では、内外の株式市場では
再び「リスクオフ」の動きが始まる可能性があります。時と場合に
よっては、市場は大荒れに荒れ始めるかもしれません。
この「QT」が失敗に終われば、すなわち、「QT」で高インフレ
を抑え込めないようならば、あるいは、「QT」を使ったら株式市
場に激震が走ってしまったならば、パウエルFRBはインフレ目標
そのものを「現行の2%インフレ目標」から「3~4%インフレ目
標」へと切り上げることでしょう。
「3~4%のインフレ目標」が掲げられたならば、株式市場は
溶け上がることでしょう。
かくして、パウエルFRBは、少なくとも向こう数年くらいは、
あらゆる手段を使って、「もがき苦しみ続ける」ことでしょう。
見通しの悪い悪天候の中で、地図のないまま、パウエル機長は手
動でソフトランディングを模索し続けるのです。
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