2022年 第 14号
【長尾和宏の「痛くない死に方」】
長尾和宏です。4月8日は、お釈迦様の誕生日。花まつりでした。
しかし花まつりと言われるようになったのは、明治時代以降のことで
あり、本来は、灌仏会(かんぶつえ)といいます。
なんで仏に濯(そそ)ぐ、と書くのでしょうか。
調べてみたら、仏に濯ぐものは、「甘茶」だという。この年まで知らな
かった。灌仏会では、赤ちゃんの頭に甘茶をかけるなどして、その年
の無病息災を祈るのだという。
お釈迦様が生まれたときに、空から九頭の龍が駆け降りてきたそうな。
そして、龍の口から香湯といわれる甘いお湯(ソーマアムリタ)が出
て、お釈迦様の頭に産湯の変わりにかけたことがその由来だという。
高齢者の患者さんの御自宅に行くと甘茶が置いてあるお家がある。
若い人には、あまり馴染みがないかもしれない。甘茶は、お茶と呼ば
れているが、茶葉を発酵しているわけではない。別の葉っぱだ。
独特の薄甘さが苦手、という人もいるだろう。
しかしあの甘さは、天然由来のもので砂糖を加えているわけではない。
また、アマチャヅルという蔓科の植物がその原料であると思っている
人も多いようだが、実は間違い。甘茶の原料は、アジサイ科のガクア
ジサイの変種である「アマチャ」の葉っぱを干して乾燥させてから、
発酵したもの。こうすることで砂糖の400~800倍の甘さが出るという。
砂糖が貴重品であった時代には、このお茶の甘さは格別のものであった
だろう。しかも、そんなに甘いのにカロリーはないらしいから不思議。
甘茶には様々な効能が発見されているらしい。京都薬科大学の吉川雅之
先生によれば、甘茶のエキスから以下のような効能が認められたという。
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