■課題の本質を見つける「探る」「聞く」「見る」
クリエイティブはビジネスにも必要だ。クリエイティブには「表現の
クリエイティブ」のほかにビジネス上の課題を解決する「ビジネスの
クリエイティブ」もあるのだ。
多くのビジネスパーソンに「ビジネスのクリエイティブ」が求められ
ている。ビジネスを機能させる手段、ビジネスを成功に導く枠組みを
作るクリエイティブが必要になのだ。
言いかえれば、課題の本質を見つけ出し、仮説を立て、解決策につな
げる力だ。見たり聞いたり探ったり考えたり想像したり生み出したり、
動かしたり選んだり伝えたりする力が求められているのだ。
新しい工夫をしたり、既存の思い込みを排除したり、物事を俯瞰で見
たり、ひと工夫加えて何か変える。少し違う角度から、アイデアを紡
ぎ出す。そういうクリエイティブこそが、今求められているのだ。
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優秀な営業担当者は、クライアントの御用聞きで終わらない。クライ
アントの事業を理解して、抱えている悩みや課題に答えることができ
る。クライアントの壁打ち相手として、頼れる存在になっているのだ。
クライアントの商品が売れていくにはどうすべきか、課題を見つけ、
仮説を立て、解決策の骨組みを作ることができる。クリエイティビテ
ィを発揮して課題の解決に結びつけることができるのだ。
難しく考える必要はない。人間は一人ひとり違う。一人ひとりが、そ
れぞれ固有のクリエイティブな部分を持っている。そこに磨きをかけ
て仕事に活かしていく。顧客の課題の発見やその解決に活かしていく。
そんな風に活かせるのが、ビジネスクリエイティブだ。そんなクリエ
イティブ思考は、本来誰にでも備わっている。そのことに、ぜひ気づ
いてほしい。
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ビジネス上の課題解決には、次の3つのステップある。ステップ1は、
「課題の本質を見つける」ことだ。ここで必要になってくるスキルは
「探る」「聞く」「見る」ことだ。
まず「探る」だ。ビジネスの全体像を理解することだ。自分が携わる
仕事、部門に詳しくても、それ以外や全体が見えていないことが多い。
それでは、クライアントの立場で考えたり、物を見ることはできない。
また、クライアントのオリエンテーションを鵜呑みにしないことだ。
クライアントがいう課題は一度疑ってみるべきだ。その上で、フラッ
トな目線で考えるようにすることだ。
最初から着地点を決めないことだ。自社の課題が正しく抽出できてい
ない企業は多い。そういう時、いきなり解決策に走ることは危険だ。
手段と目的を間違えてはいけないのだ。
★
次に「聞く」だ。質問力を鍛えることだ。まず相手に興味を持つこと
だ。キラークエスチョンは「この商品で世の中はどう変わりますか」
だ。この質問で、狭くなった相手の視野を大きく広げることができる。
最後に「見る」だ。3つの眼で見ることだ。まず、俯瞰でものを見る
「鳥の眼」だ。これは、本当の課題を見つけるために、大切なことは
俯瞰でものを見る意識を持つことだ。
一歩引いて全体を冷静に見てみれば、近視眼的に見ていたときにはわ
からなかったことに気づくことも多い。業界や世の中を俯瞰すれば、
そうした誤りは回避できるものだ。
2つ目は、より対象に近づいて見ていく「虫の眼」だ。日常に根ざし
た時、人にどんな便益をもたらしてくれるのかをつぶさに見ていく視
点が必要だ。
3つ目は、流行やトレンドを見る「魚の眼」だ。時代の流れを見てい
くのだ。普段から「何が流行っているか」「どんなトレンドが現れて
いるのか」を把握しておくのだ。
これらを見逃せば、時代の流れに逆らうことになりかねない。「魚の
眼」を意識していれば、変化に気づく。そこにクライアントの課題の
原因や解決策のアイデアが見つかることも少なくないはずだ。
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