プーチンとロシア帝国　（その3）

■■ 2022/04/14 ■■ 兵頭正俊の優しさ出前 ～３分でマスメディアとは違ったステージに招待します ～ ■■■■■■■■■■■■■■ 内容のレベル:中高級者向け発行人 ：兵頭正俊登録解除 はここから http://bit.ly/AvYMkY ━━━━━━━━━━ 　プーチンとロシア帝国　（その3） ━━━━━━━━━━ プーチンはいつまで大統領を続けるのだろうか。いわれ ている通り、5期続投をやるつもりか。 アメリカとしては相手が面倒な傑物である限り、早くや めさせたい。 ここでもウクライナ戦争が顔を出す。ロシアでは、 「2024年問題」というキーワードがある。プーチン は、ウクライナ戦争をロシアの勝利で決着させ、その後 に24年の選挙でプーチン5選を狙うというシナリオだ。 こうなるとウクライナ戦争ではプーチンは負けられな い。勝利が必須になる。 スターリン越えとなる「30年政権」を目指すつもり か。 ロシアの有力メディアグループ「RBK」は年末の12月27 日、「クレムリンが2024年大統領選の準備を開始し た」と報じた。 プーチン氏の後継選びは誰に？ プーチンの続投説は、2020年の憲法改正で過去の任期 をリセットし、2期12年の任期延長を可能にした時点で ささやかれていた。最長6期、2036年までの続投説もあ る。しかし、36年には83歳だ。健康との闘いになる。 命を賭けて大統領職にしがみつくと言った人物でもな い。 一方で、プーチン氏は昨年6月、国民とのテレビ対話 で、「後継者を推薦するのは私の責任だ。祖国を指導す るにふさわしい人物を指名する日が来ることを望む」と 述べた。しかし、これこそ建前である。後継者はいな い。そんな優れた後継者がいたら殺される。後継者がい ないから仕方なく長期政権を成らざるを得ないのだ。 これを受けて、ロシアのメディアでは一時、後継者問題 が議論され、例えば、ロシア誌が有力候補を探してきた が、こういうのをありがた迷惑というのだ。挙げられた 候補者は突然行方不明になるか、いずれにしても政治的 には抹殺される。 いまのところショイグ国防相が残っているが、いずれ消 えるだろう。 プーチンは5選を目指すという。 次回のロシア大統領選は、2024年3月17日に実施され る。2年後だ。 プーチン以外に有力候補は見当たらず、出馬すれば、当 選確実とみられる。 プーチン氏が5選を果たすと、1期が6年だから、2030年 までの政権担当が可能になる。ロシアでは、スターリン を抜いて最長在任の指導者になる。 社会主義国家でも最近は支持率が存在する。プーチンに 支持率は急降下だ。2018年の、不正操作された選挙で 77％の高得票を得たとはいえ、プーチンの支持率は急 降下している。 2014年のクリミア編入直後の支持率が90％近くに達し ていた。5年後の2019年春に実施された世論調査で「プ ーチンを信頼している」と答えたのは、回答者のわずか 32％だった。90％から32％への支持率急降下。 ポストプーチンのロシアに向けた壮大な権力抗争の始ま り 1　クリミア編入後、プーチンがウクライナ東部の傀儡 勢力を利用して始めた紛争は膠着状況 2　労働者の引退年齢を引き上げたことは特に不評 3　反政治腐敗の活動家アレクセイ・ナワルニーなどが 率いる純然たる反プーチン勢力の存在 4　プーチンにははっきりとした後継者がいない 5　ロシア研究者たちは、治安サービスやビジネス階級 の内紛が増えているとみている。