第083号後編「副な人の作法。名建築の愉しみ」

久米信行ゼミ「オトナのための学び道楽」 毎月第1-4 火曜日発行 vol.83後編 2022/04/26発行 *========*========*=======*=======* ============= ５．久米のイチオシ ‐‐‐‐ 「名建築で昼食を」を見て昼食を またまた面白いテレビシリーズを、amazonプライムビデオで発見してしまいました。 その名も「名建築で昼食を」 カフェ開業を夢見るＯＬ春野藤（26）は、ノスタルジックで可愛らしい「乙女建築」巡りを趣味とする中年の建築模型士、植草千明（55）とＳＮＳで出会う。そして名建築を巡っていくうちに、千明の一風変わった価値観やものの捉え方や視点に興味を抱いていく。起業を準備している友人綾子との意見の食い違い、気の遣いすぎで疲弊していた藤の心が千明の何気無い言葉から、物事を捉える視点と共にゆっくりと変わってゆく…。©「名建築で昼食を」製作委員会 ユニークなタイトルは、おそらくオードリー・ヘップバーン主演の名作「ティファニーで朝食を」から取っているのでしょうが、名前こそ似ていても、中身は全然違うのです。 NHK「プロジェクトX」のナレーターをしていた田口トモロヲ演じる建築オタクなおっさんが、モデルで女優・歌手の池田エライザ演じるカフェ開店を夢見る女子と、名建築を巡ってランチを食べるという渋いシリーズ番組。 正直言えば、ふたりとも少々こじれてめんどくさい性格のキャラなのですが、都内の美しき名建築の引き立て役としては十分すぎるでしょう。 12回シリーズで回った名建築の多くは私も大好きで既に見て回ったところ。でも、この番組のおかげで、見落としていた美しさや魅力に気づいて、再び訪れたくなったのです。 だとしたら、この番組で初めて美しき名建築の数々を知った人は、どれだけシビレルのでしょう。誰もが、きっと行ってみたいと思うはず。 先日、ある勉強会で、日本を代表するゼネコン、鹿島のグループ出版社、鹿島出版会の坪内文生社長とご一緒する好機がありました。最近の活字離れを嘆かれていたので「名建築で昼食を」をお勧めしたところ、既にご覧になっているとのこと。サスガですね。