メルマガ読むならアプリが便利
アプリで開く

言いすぎか!! 弁護士 北村晴男 本音を語る Vol.140

言いすぎか!! 弁護士 北村晴男 本音を語る
━=━=━=━=━=━=━=━= 言いすぎか!! 弁護士北村晴男 本音を語る ━=━=━=━=━=━=━=━= Vol.140 2022.4.30 ■□■…………………………………… 目次 ……………………………………■□■  【1】 『スパイ防止法のない国、日本       国民の安全は守られるのか』  【2】 『北村晴男の"素"』  【3】 『番組出演予定       イベント情報』 ……………………………………………  【1】 『スパイ防止法のない国、日本       国民の安全は守られるのか』 …………………………………………… ペルソナ・ノン・グラータ 好ましくない人物の追放 ウクライナへのロシアの侵攻で、「日本がスパイ天国のままでは、本当にまずいことになる」との危機感を感じる。ウクライナもスパイ天国だったのだ。ロシアのスパイが暗躍し、工作活動を行うことで、ロシアが侵攻しやすい状況を作っていったという。2014年のクリミア半島併合まではこれが100%成功していた。その後状況は大きく変わったが、プーチンに「状況が変わった」という情報が上がっていなかった可能性が高い。 日本の外務省は4月8日、外交関係に関するウィーン条約の定めに基づき、在日ロシア大使館の外交官とロシア通商代表部の職員、合わせて8人を「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましくない人物)」と判断。外務省の森健良事務次官がミハイル・ガルージン駐日大使に国外追放を通告し、20日、8人は出国した。 欧米諸国ではロシアの外交官を30名程度国外追放する動きが相次いでいる。だが、8名とはいえ、日本が同様の措置に踏み切るのは異例だ。 今回の日本政府のロシア外交官らの追放措置に対し、ロシアは「日本の非友好的な措置に断固として対応することになる」と抗議する。 在日ロシア大使館の職員は非公式な職員も入れると非常に多く、本来の外交活動を行うために必要な人数の数倍に達しており、それにより活発なスパイ活動が行われているらしい。 事実、過去に日本で発覚したスパイ事件は、ロシアがらみが極端に多い。 「スパイ防止法」のない日本は、スパイ天国 よく知られた事件としては、2000年に発覚した「ボガチョンコフ事件」がある。在日ロシア大使館に勤務する海軍武官ボガチョンコフ大佐から現金を受け取った海上自衛隊の三佐が自衛隊の秘密資料を提供した事件だ。 他にも、2002年の「シェルコノゴフ事件」。在日ロシア通商代表部のシェルコノゴフが元自衛官の防衛機器販売会社社長に現金を渡し、米国製戦闘機用ミサイルなどの資料の入手・提供を要求したという事件。 2005年の「サベリエフ事件」は、在日ロシア通商代表部員のサベリエフが日本人会社員からその勤務先の会社の先端科学技術に関する機密情報を不正に入手したというもの。 ロシア以外にも中国や北朝鮮の工作員による諜報事件が発覚している。 2003年には中国人工作員による「国防協会事件」。在日中国大使館の駐在武官の工作を受けた日本国防協会の役員(元自衛官)が防衛関連資料のコピーを渡したという事件だ。 最近では、2018年の「ソフトバンク機密漏洩事件」。元外交官で在日ロシア通商代表部のアントン・カリニン元代表代理がソフトバンクの元社員に現金を渡し、複数回にわたって機密情報を受け取ったとされる。 カリニン元代表代理は外交特権を盾に、警視庁の出頭要請に応じないまま帰国した。 外交官には外交特権がある。したがって諜報活動が発覚したとしても、悠々と自国に帰っていくことができる。そのこと自体はやむを得ない。 だが、「ABEMA Prime」によると、イギリスの元MI6に所属していた男性が「もしイギリス国内でソフトバンク事件のようなことが起きたとしたら、スパイを国外に逃がすことなど絶対にありえないし、殺害する権限もある。そして、そうなったとしてもニュースになることはない」と話したという。 さらに、「私が東京、大阪で活動していた時、日本企業の技術情報を盗む中国のスパイを数多く確認した」という。 ロシアや中国、北朝鮮が日本で活発なスパイ行為を行っていることは間違いない。 イギリスには「厳格なスパイ防止法」があり、その上、MI6という諜報機関がスパイを殺害することもあるという。スパイといえども諜報機関に拷問され、殺害されてはならず、司法によって裁かれるべきだが、日本には「スパイ防止法」すらない。スパイ防止法がないということは、スパイにとってまったくストレスがないということ。 捕まることがまずなく、たとえ捕まったとしても微々たる刑しか科せられない。国によっては、捕まると拷問され、死刑にもなる。たとえばロシアや中国で捕まったら、即、拷問。それらの国と比べると、スパイにとって、本当に「日本は天国」だ。 機密を盗み出して捕まっても、日本では「スパイ」として裁けない。だから、公務員法違反、自衛隊法違反などの守秘義務違反として立件するか、せいぜい書類を盗んだとして窃盗罪として裁く。だが前科がなければ、多くの場合に執行猶予がつく。 2000年の「ボガチョンコフ事件」の犯人は自衛隊法違反の罪で懲役10ヶ月の実刑。2005年の「サベリエフ事件」の犯人は起訴猶予処分だった。 スパイ防止法を作り、スパイ行為を厳格に処罰できるものにしないと、いつまで経ってもスパイ天国のまま。本当に、このまま「スパイ天国」でいいのか。 ところで、日本は情報が多すぎて活動も自由。やることが多すぎて過労になる。そういう意味ではスパイにとって「日本は地獄だ」と言ったスパイもいるとか。ふざけた話だ。 「スパイ防止法」廃案は、正解だったか

この続きを見るには

この記事は約 NaN 分で読めます( NaN 文字 / 画像 NaN 枚)
これはバックナンバーです
  • シェアする
まぐまぐリーダーアプリ ダウンロードはこちら
  • 言いすぎか!! 弁護士 北村晴男 本音を語る
  • TVや雑誌でおなじみの北村晴男先生が本音で語る! 弁護士として、人として、そして3人の子供をもつ父親として 世の中のニュースや今でも心に残っていること等々、 皮肉あり冗談ありの本音トークで皆様にお届けいたします。 北村晴男ワールドを是非ご堪能あれ!
  • 880円 / 月(税込)
  • 毎月 15日・30日