■働くあなたの快眠地図
働く人が一番困っているのが睡眠だ。食事や運動不足に悩む人もいる
が、睡眠に困っている人に比べれば圧倒的に少ない。働く上で最も重
要な要素が睡眠だから大問題だ。
そのためにお金をかけている人もいる。だが、日常のちょっとした工
夫や環境づくりで、自分の睡眠の特性をつかみ、楽しみながら、死ぬ
まで使える快眠のスキルを手に入れることができるはずだ。
ここ数年、万全ではないコンディションでもできる簡単な仕事や、同
じことを繰り返す業務はどんどんコンピュータに置き換わり始めてい
る。
これからは、集中力が必要な、穏やかな状態でないとできない仕事だ
け残る。そして「何をするか(do)」より「どんな状態(be)です
るか」が重要になる。
つまり、ベストな状態で仕事に取り組むことが重要になる。快眠で朝
からごきげんに仕事をはじめられれば、1日の多くの時間を良い状態
で仕事ができる。
だから、まず良い状態(be)を作ることから始めて、その状態で正
しい知識や情報を学ぶ(know)、実行(do)することだ。それこそ
がこれからのビジネスの標準になっていくのだ。
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仕事の内容や部署が同じでも、睡眠不調を改善するだけで「メンタル
数値」や「幸福度」は改善していく。同じ職場環境でも、眠れる人と
眠れない人がいる。
一方は「よく眠れて快調」、もう一方は「眠れなくて不調」という不
平等があるのが現実だ。その睡眠の差が「メンタル」や「幸福度」に
直結している。その不平等は、給与の差どころではない。
しかし、基本的なスキルさえ身につければこの「睡眠格差」は埋めら
れる。先行き不透明でも、プレッシャーがあっても、夜に快眠して切
り替えができれば、今より生きることはかなり楽になるはずだ。
朝、疲れが取れてスッキリ起きることができれば、あらゆる困難も乗
り越えやすくなるはずだ。「睡眠のスキル」は、すべてのビジネスパ
ーソンにとって必須スキルなのだ。
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様々な調査の結果、日本は睡眠不調の割合が世界一多い国だとわかっ
た。睡眠不調による経済損失も世界一大きい。原因のひとつは、夜の
照明が明る過ぎることだ。
基本的に日本の家庭の夜の照明は海外よりかなり明るい。誰もが睡眠
不調になるレベルだ。ある調査では、店内の夜の明るさは海外に比べ
て40%程度明るく、公共施設では5倍も明るいと報告されている。
日本人が睡眠不調になりやすいもうひとつの理由は、不安遺伝子を持
つ人が80%いることだ。日本人の睡眠不調で最も多いのが「夜眠れ
ない」という不眠系の不調だ。
これは日本人の不安遺伝子の影響だ。これらの理由からもわかる通り、
日本では、ごく普通に生活しているだけで睡眠不調になる可能性がと
ても高いのだ。
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欧米では「コミュニケーションの悪化防止」のための睡眠改善という
考え方が主流だ。睡眠不調になると、本人だけでなく、周りにも悪影
響があることが科学的に明らかだ。
たとえば、自分が睡眠不調だと、周りのメンバーの「関わりたい」度
合いが急激に低下する。人は無意識に睡眠不調の人には近寄りたくな
いと思うのだ。
また、睡眠不調の人は、周りのメンバーを信用できなくなる傾向があ
る。実際に睡眠不調な人がチームにいると、そのチームのエンゲージ
メントが低下する。
現代の仕事は、チームの協力や連携で成果が決まる。信頼関係が何よ
りも大事だ。その大切な要素を劇的に低下されるのが睡眠不調だ。ビ
ジネスパーソンが改善する必要性はとても高いのだ。
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