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第17回 オミクロン感染によって「中国経済はいよいよ危機」という説への疑問

富坂聰の「目からうろこの中国解説」
 衛星テレビ「中国東方衛視」によれば上海市の5月6日の新規感染者は4214人(うち3961人が無症状感染者)。緩やかだが減少傾向を示している。新型コロナウイルスの変異株・オミクロンの感染拡大で中国の対策が後手に回ったのは無症状感染者の急増のためだ。その無症状感染者は3961人のうち3943人。すべて隔離中の発見だ。もしウィズコロで無症状感染者を野放しにしていたら、感染爆発は避けられなかっただろう。やはりロックダウン(封鎖)は有効なのだ。  新型コロナウイルスによる死者数が100万人に近づいたアメリカでは「コロナ孤児」と呼ばれる子どもが20万人にも達したと報じられている。同じ悲劇が中国社会を見舞えば、その前に深刻な医療崩壊も起きていたはずだ。そうなれば盤石とされる習近平政権にも綻びが生じたかもしれない。  同じ日、シンガポールのニュース番組は上海の工場労働者が騒いで封鎖を突破する映像を流した。封鎖を経験した国で不満の爆発や混乱が起きなかったところはない。

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