続々・神々の履歴書第11回
伊勢に祀られた暴風の神・セト
神風を起こす!
前回は三重県鈴鹿の椿大神社正殿にユダヤの大祭司アロンとアメン神・奥宮にはエジプトの嵐の神・セト神が祀られていることをお話ししました。
古代エジプトでは、セトはオシリスやイシスに敵対する悪神
「セトって誰?」な方のために、簡単に古代エジプトの神話についてお話しておきましょう。
エジプト神話では、オシリス・イシス・セト・ネフティスは姉妹兄弟です。オシリスとイシスが夫婦・セトとネフティスも夫婦ですが(古代エジプトでは兄弟姉妹で結婚します)ネフティスはオシリスと不倫関係にありかつネフティスは姉イシスとも仲がいいので(現代人の感覚だともはやカオスですが・・)兄弟間の敵対関係はオシリス・イシス・ネフティス VS セトの構造になっています。
彼らはなぜ敵対しているのでしょうか?
オシリス・イシス・ネフティスは冥界神(地底神)ですが、セトは天空神です。つまり本来神としての性質が違うのです。彼らの対立は、単に兄弟間の王位継承や人間関係の問題ではなく、神としての本質的なところかきているのです。
冥界神であるオシリス・イシス・ネフティスは、湧き水のあるところに祀られますが(当時湧き水は冥界と人間世界の通り道と考えられていました)、天空神であるセトは山や丘の上に祀られます。
日本でもオシリス・イシスは伊勢神宮で水、セトは椿大神社で山 に祀られています。
セトは、カバラに受容されて大天使ミカエルになった
エジプトでは、オシリスたち冥界神が善神で、天空神のセトが悪神とされています。が、ところかわれば価値観も逆転するもので、ヨーロッパでは、セトが善神で、オシリスらが悪神です。
エジプト神セトは、ユダヤ神秘思想カバラに大天使として受容されました。それが大天使ミカエルです。ユダヤ教は一神教なので、異教の神々を認めるわけにはいかず、大天使という名目で受容したのです。名前は変わっても本質は同じです。
オシリス・イシス・ネフティスも大天使としての名がありますが、それはまた別の機会にお話ししますね。
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