※5月2日(月)午前、退院しました。率直に言って、夢の中にい
るような感覚で10日間を過ごした気がします。救急搬送は5年前の
脛骨骨折以来であり、あの時と同じ病院にお世話になることになり
ました。企まずしてそうなった。何か縁のようなものを感じます。
それにしても、脳卒中で倒れるなんてまったくの想定外でした。
自覚するかどうかはともかく、高齢であることを意識せざるを得な
い日々を過ごしていたのは事実です。肉体の衰えもそうですが、寄
る年波は隠せない。認めたくはない現実ですが「年取ったなぁ」と
老いを自覚することが増えていました。
不調に陥った瞬間の印象を一言でいうと、バーチャルな感じ?
己を客観視するもう一人の自分がいて、慌てるでもなく家人に的確
な指示をしている。119番を呼び、駆けつけた消防スタッフに慌て
るでもなく対応した。救急搬送から入院に至る過程も、どこか他人
ごとのようでした。
ICUだなんて、そんな大袈裟な。症状が”発症”から約30分で
収まったこともあって、正直そう思いました。ところが一晩で一般
病棟に移れると思っていたら、5日も足止めされ、さらにそこから
また5日。「ぽっくり病ってご存知でしょう」あなたの不整脈はそ
の可能性がある。いや散々脅かされましたが、本人に自覚する深刻
な症状がまったくありません。
退院した今もそうですが、何と言うかリアリティがない。ずっと
冷静に対処していて、人ごとのように自分を見つめる自分がいる。
動転したという瞬間は……片時もなかった。仙人になった気分?
なるようにしかならない。老境に至ったせいか、近頃そう思うこ
とが多くなりました。諦念とは少し違うと思います。重病に倒れた
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