メルマガ読むならアプリが便利
アプリで開く

ロシアのウクライナ侵攻と中国・台湾 (その1)

兵頭正俊の優しさ出前
  • 2022/05/11
    • シェアする
■■ 2022/05/11 ■■ 兵頭正俊の優しさ出前 ~3分でマスメディアとは違ったステージに招待します ~ ■■■■■■■■■■■■■■ 内容のレベル:中高級者向け発行人 :兵頭正俊登録解除 はここから http://bit.ly/AvYMkY  ━━━━━━━━━━  ロシアのウクライナ侵攻と中国・台湾 (その1) ━━━━━━━━━━ 今日のメルマガ『兵頭正俊の優しさ出前』では、イア ン・ジョンソンとキャシー・ファンの書いた「ロシアの ウクライナ侵攻と中国の立場―― 中ロ関係は、台湾は どうなるか」を採り上げる。もしウクライナ戦争が中国 の台湾侵攻を誘発すれば、すぐに米日の問題になる。岸 田文雄のように、のんきに「検討します」では済まなく なってくる。バイデンが乗りだしてくるので、やってる フリもできなくなろう。 イアン・ジョンソン CFRシニ アフェロー(中国担当)  キャシー・ファン CFRリサーチアソシエート(中国研 究) Ian Johnson CFRシニアフェロー(中国担当)。 Kathy Huang CFRリサーチアソシエート(中国研究)。 イアン・ジョンソンとキャシー・ファンは書いていた。 「中国はロシアとウクライナの対話を求めつつも、明ら かにロシア擁護の立場をとっている。中ロ両国の経済は 相互補完関係にあるし、中国の習近平国家主席とロシア のプーチン大統領は個人的に強い絆で結ばれているよう だ。2月25日の電話会談でも、習は「交渉が望まし い」と述べるにとどめ、プーチンを批判した様子はな く、ロシアを経済・貿易面で支援するように指示したと 報道されている。実際、中国が、欧米諸国に輸出できな くなったロシアの天然ガスやその他の資源の長期的なバ イヤーになることは十分に想定できる。今後数年間は、 中国がロシアの資源をとやかく言わずに購入して、対ロ シア制裁を相殺することになるのかもしれない。・・・ 仮にロシアがウクライナの一部を手に入れ、傀儡政権を 樹立し、経済制裁に持ちこたえれば、中国のナショナリ ストは台湾に目を向け、自分たちも同じことができると 考えるかもしれない。 <中国の立場> ロシアのウクライナ侵攻によって、中国は厄介な立場に 立たされた。ロシアとは経済的に密接な関係にあるもの の、各国の領土保全の尊重を外交政策の支柱の一つに据 えているからだ。 このために、中国外交部のウクライナ危機に関する声明 はどれも曖昧なものばかりだ。ロシアの侵略を肯定する わけでもなければ、非難もしない。「状況は複雑だし、 経済制裁は無意味で、北大西洋条約機構(NATO)を かつてソビエトの支配下にあった(ヨーロッパ東端)地 域に拡大してロシアを追い込んだ欧米に今回の戦争の大 きな責任がある」と北京は繰り返している。中国は自ら の立場を基本的に中立と位置づけた上で、ロシアとウク ライナの対話を求めつつも、中露関係のつながりが強化 されていることを裏付けるかのように、明らかにロシア 擁護の立場をとっている。 中国とロシアの双方にとって、相手は主要なパートナー だ。両国の経済は相互補完関係にある。中国は製造大国 だが資源に乏しいために、ロシアのエネルギーを必要と し、ロシアは膨大なエネルギー資源を保有しつつも、投 資と経済基盤拡大のための支援を必要としている。それ ぞれに人権や外交政策上の問題を抱えているが、互いに 目をつむっている。中国はロシアの先端兵器の主要なバ イヤーでもある。 中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領は、個 人的に強い絆で結ばれているようだ。例えば、ウクライ ナについて話し合われた2月25日の電話会談でも、習 は「交渉が望ましい」と述べるにとどめ、彼がプーチン を批判した様子はない(訳注―読売新聞によれば、習近 平は(ウクライナへの軍事侵攻については)当面は「態 度を示さない」との方針を示した上で、違法な米英の制 裁下にあるロシアを経済・貿易面で支援するように指示 したといわれている)。 一方で北京は、ロシアの侵攻を支援すれば、主要な貿易 相手国であるアメリカ、EU諸国、日本などの、すでに 緊張している豊かな民主諸国との関係にさらに深刻な打 撃を与えることを理解している。これらの国々との関係 は、中国が1970年代末に改革開放政策を開始して以 降、悪化してきた。仮に中国がロシア側に立って、経済 支援を提供したり、国連安保理での拒否権行使に応じた りすれば、もはや関係を修復することは難しくなる。 この場合、豊かな民主国家のほとんどは、中国とロシア が1950年代のような共産主義同盟関係にあるとみな すことになるだろう。そうなると、多くの国にとって中 国とのエンゲージメントを再開するのはほぼ不可能にな る。 このジレンマは、中国のソーシャルメディア上で今回の 戦争がどのように議論されているかに反映されている。 最も影響力のあるプラットフォームであるWeChat において、中国メディアのあるシニアエディターは次の ように述べている。「ロシアを侵略へ向かわせたのが、 結局はアメリカである以上、中国はロシアの立場への理 解を示し、一定の支持を表明すべきだ。しかし、公然と ロシアを支持して欧米諸国を挑発すべきではない」。一 方、プーチンに全面的に責任があるとみる評論家もお り、この人物は「この戦争はロシアの近代化の失敗を例 証するものだ」と述べている。ウクライナの英雄的な抵 抗を重視する人もいれば、戦争には正義がないと批判 し、ウクライナ女性について性差別的な発言をした中国 の男性コメンテーターを批判する人もいる。 <経済制裁は相殺される?> 中国が直ちにロシアに援助を申し出ることはないだろう が、欧米諸国に輸出できなくなった天然ガスやその他の 資源の長期的なバイヤーになることは十分に想定でき る。最近中国はロシアの穀物輸入規制を緩和すると発表 したが、これはかねて検討されてきた事案だ。 ただし、全般的に資源輸出の流れを短期間で変えるのは 難しい。例えば、パイプラインの建設には何年もかかる ために、中国が突然、制裁対象の資源、例えばノルドス トリーム2パイプラインで運ばれるはずだった天然ガス を購入するのは無理がある。しかし、今後数年間は、中 国がロシアの資源をとやかく言わずに購入して、対ロシ ア制裁を相殺することになるのかもしれない」 (引用終わり) 兵頭の解説(第一部) 現在のロシア問題で、もっとも関心を引くのは、中国が ロシアとウクライナのどちらにつくかということだ。 結論から先に行ってしまえば中国はロシアにつく。それ は両国の指導者を観ればすぐに判断がつく。プーチンか ブレジンスキーか。結論は世界の指導者の大半、識者の 殆ど全部がプーチンを選択する。日本の岸田文雄のよう な存在は例外的なのだ。かれは自分の損得で判断する。 プーチンに就けばバイデンの怒りを買う。政権は終了し たも同じだ。対米隷属。これが岸田の政治だ。国益など 絶対に考えない。 中国の出方はこうだ。 1 中国は明らかにロシア擁護の立場だ。 2 中ロ両国の経済は相互補完関係にある。 3 習近平国家主席とプーチン大統領の個人的関係の強 さ。 4 「中国が、欧米諸国に輸出できなくなったロシアの 天然ガスやその他の資源の長期的なバイヤーになること は十分に想定できる」。 5 今後数年間は、中国がロシアの資源を購入して、対 ロシア制裁を相殺する可能性がある。 6 ロシアがウクライナ侵攻が成功すれば、中国も台湾 について同様の侵攻をとる可能性が出てくる。 「6」については以前から指摘されていたことだが、わ たしは可能性は低いと観ている。なぜなら成功より失敗 の可能性が高く、しかももし失敗した場合、中国の政変 を誘発し、習近平の失脚を誘発する可能性が高いから だ。そんな冒険を習近平がする筈がない。

この続きを見るには

この記事は約 NaN 分で読めます( NaN 文字 / 画像 NaN 枚)
これはバックナンバーです
  • シェアする
まぐまぐリーダーアプリ ダウンロードはこちら
  • 兵頭正俊の優しさ出前
  • 今までのメルマガに満足できない方に、ちょっと贅沢なメルマガを! このメルマガで扱うテーマは、政治、原発、TPP、がれき拡散、食の放射能汚染と幅広く、さらに映画、文学と多岐にわたります。マスメディアが操作し、国民を洗脳し続ける情報とは違ったステージに、あなたを招待します。 あなたは、このメルマガで、政治やマスメディアにだまされなくなります。
  • 880円 / 月(税込)
  • 毎週 月・水・金曜日