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ロシアのウクライナ侵攻と中国・台湾 (その2)

兵頭正俊の優しさ出前
  • 2022/05/11
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■■ 2022/05/11 ■■ 兵頭正俊の優しさ出前 ~3分でマスメディアとは違ったステージに招待します ~ ■■■■■■■■■■■■■■ 内容のレベル:中高級者向け発行人 :兵頭正俊登録解除 はここから http://bit.ly/AvYMkY  ━━━━━━━━━━  ロシアのウクライナ侵攻と中国・台湾 (その2) ━━━━━━━━━━ 第2部 イアン・ジョンソンとキャシー・ファンは書いていた。 「<ウクライナと台湾> 中国外務省は、ウクライナと台湾は違うと明言してい る。中国は台湾を不可分の領土の一部とみなす一方で、 ウクライナについては完全な主権国家とみている。しか し、より深いレベルでのロジックには相通じるものがあ る。 中華人民共和国とロシア連邦は、ともに大陸に存在する 巨大な多民族帝国の後継国家だ。20世紀、清朝が崩壊 した後、中国はモンゴルと台湾を失った。モンゴルの領 有権は主張しなくなったが、台湾は依然として領土に組 み込むことを望んでおり、その目的から武力行使のオプ ションも排除していない。1991年にソビエトが崩壊 したとき、ロシアはもっとひどい目に遭った。中央アジ アの大部分と、バルト三国、コーカサスの多くの地域、 ベラルーシ、ウクライナなど、ヨーロッパの領土の多く を失った。中央アジアの奪還はあきらめたようだ(おそ らく忠実な強者にそれらの国を運営させることで満足し ている)。だが、モスクワはヨーロッパの領土の一部は 取り戻したいと考えている。 中国のナショナリストは、ロシアの状況を我がことのよ うに理解している。ロシアがウクライナの一部を手に入 れ、傀儡政権を樹立し、経済制裁に持ちこたえれば、中 国のナショナリストは台湾に目を向け、自分たちも同じ ことができると考えるかもしれない。 <米中協調の可能性は> 理想的な世界なら、アメリカは中国とのハイレベルな対 話を再開できるかもしれない。この場合、アメリカは中 国に、ロシアのような資源独裁国家と付き合うのではな く、世界のリーダーとして先進国と関わり、競争するこ とが自らの未来であることを伝えることができる。 しかし、そうなる見込みはあまりない。最近の展開によ って、ワシントンと北京の関係はあまりに緊張してい る。ウクライナの自治を守ろうとする国々がある一方 で、北京は思いつくままに対米批判を繰り返すという現 状が続くのだろう」 (引用終わり) 兵頭の解説(第2部) 中国外務省は、世界のウクライナ問題と台湾問題の近似 性を指摘する論調を気にして、ふたつは違うと明言して いる。 近似性 ロシアとウクライナ、中国と台湾とも同様に、大国から の主権国家への主権侵害と同化への圧力。 違い ウクライナはもともと独立した主権国家であるが、台湾 は歴史的に中国の領土であり、中国のものである、と中 国は主張している。 中国のナショナリストは、ロシアの状況を我がことのよ うに理解している。ロシアがウクライナの一部を手に入 れ、傀儡政権を樹立し、経済制裁に持ちこたえれば、中 国のナショナリストは台湾に目を向け、自分たちも同じ ことができると考えるかもしれない。 米中協調は困難だ。いや、不可能だといっていい。 かりにアメリカが中国に、ロシアのような資源独裁国家 と付き合うのではなく、世界のリーダーとして西側先進 国と関わり、競争することが自らの未来であることを伝 えることなどできないだろう。アメリカの短い歴史と違 って中国には長大な歴史がある。その中で中国がやって きたのはまさに独裁国家として周辺国を睥睨し、命令 し、従わせることであった。これは変えられるものでは ない。毛沢東もそのように君臨したし、習近平もそのよ うにしか中国を支配できない。 兵頭の解説(第2部終了)

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