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165回 名誉白人になりたがる国

和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」
コロナ自粛の影響を受けたと思われる芸能人の自殺が立て続けに起こり、あれこれと取材を受けるが、私は自殺報道が自殺を増やすと考えているので、原則的にお断りしている。 ただ、話を聞く限り、うつ病がからんでいるようだ。 コロナ禍で、引きこもり生活が続くと、どうしても日光を浴びることが減り、セロトニンという神経伝達物質が減る。 すぐにうつ病というわけでないが、1年とか2年、それが続くと、うつ病に陥る人が増える。 うつ病の人の何割かが死にたいという自殺念慮をもっているとされる。 そういう人が自殺報道を見ると、「俺も」ということになりかねない。 テレビ局にモラルのない国だから、自殺の連鎖が続かないことは祈りたい。 二人目の人については、親分肌でわいわいと飲むのが好きだったそうだ。 ところがコロナでそれができなくなった。 おそらくは一人飲みということになっていったのだろう。 それはどんどん酒量が増えるということになりかねない。 セロトニン不足でうつ状態になっていたとすれば、不眠という症状も生じるので、ついお酒に走ってしまう。 それがどんどん増えていくということになるとアルコール依存の危険も高いのだが、うつ病の場合、アルコールがセロトニンを枯渇させる。 そしてどんどんうつ病が悪くなってしまう。 そこにほかの芸能人の自殺のニュースが耳に入れば、死にたい気持ちの背中を押した可能性はとても高い。 テレビのコメンテーターやMCは同情するふりをする(本当に同情していた人もいるだろう)が、自分たちが殺しに加担したという自覚はまったくない。 この辺の事情は『テレビの重罪』にも書いたが、彼らが反省することはまずないだろう。

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  • 和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」
  • 世の中のいろいろなことにたった一つしかないと考え、それを信じ込むことは、前頭葉の老化を進め、脳に悪い。 また、それが行き詰った時に鬱になるというメンタルヘルスにも問題を生じる。 ところが日本では、テレビでもラジオでも、○○はいい、××は悪いと正解を求め、一方向性のオンパレードである。 そこで、私は、世間の人の言わない、別の考え方を提示して、考えるヒントを少しでも増やし、脳の老化予防、メンタルヘルス、頭の柔軟性を少しでもましになるように、テレビやラジオで言えない暴論も含めて、私の考える正解、私の本音を提供し続けていきたいと思う。 質問、相談、書いてほしいテーマ等、随時受付。
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