【橘川幸夫の文章論「書きたくて書いてるんじゃない。伝えたくて書いてるんだ」】
俺はね、文章を書きたくて書いてるんじゃない。伝えたくて書いてるんだ。理屈じゃなく、気持ちを伝えたい。
感情的な部分なんだ。書きたいのは。その意味じゃ手紙だ。俺の書くものって。手紙ってのはクオリティじゃない。手紙の文章が良かったとか悪かったとか、そんなことはどうでもいい。
俺が作ってきた投稿雑誌、『ロッキン・オン』と『ポンプ』。これから作る雑誌『イコール』もそうだが、大事なのは文章のクオリティや方法論じゃない。伝えなければならない何かがあるかどうかだ。
そんな話なら、どんなにクオリティが低かろうが採用する。逆にどんな才能も特別扱いはしない。才能や方法論で書いたものなんて、欠片も興味がない。時代を深呼吸してるものじゃなきゃ駄目だ。
岡崎京子がデビュー前、『ロッキン・オン』に投稿してきた時も特別扱いしなかった。彼女は96年に事故で休筆してしまったけれど、90年代を代表する人気漫画家になったんだ。
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