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知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
vol. 124
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みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。
今回は、アリババ包囲網についてご紹介します。
「vol.117:アリババに起きた変化。プラットフォーマーから自営へ。大きな変化の始まりとなるのか」で、アリババがTmallに自営店舗を出店したことをお伝えしました。これはアリババのビジネスモデルを理解していない人にとっては、単なる新店舗出店のニュースにしか聞こえませんが、アリババのビジネスモデルを理解している人から見ると、時代の分岐点になるかもしれないと感じさせるものです。なぜなら、アリババは運営のみを担当し、自らは商品の売買をしないというビジネスモデルだったからです。
さらに、アリババにとっては悩ましい存在であったソーシャルEC「ピンドードー」が3四半期連続の黒字化を達成しました。運営が安定をしたということで、淘宝網(タオバオ)から販売業者がピンドードーに流出をする流れが強まります。これは本文で詳しくご紹介しますが、タオバオの収益力を弱めることになります。
また、抖音、快手、小紅書といったサービスにショートムービーや記事を発信して、販売業者が独自に集客ができる環境も整ってきました。販売業者はタオバオに頼らなくても、自分でお客を見つけることができるようになっています。これもタオバオの収益力を低下させます。
今回は、このようなアリババを取り巻く状況をご紹介し、なぜピンドードーやその他のサービスがタオバオの収益力を低下させてしまうのか、そのメカニズムをご紹介します。
なお、前回の「vol.123:利用者層を一般化して拡大を目指すビリビリと小紅書。個性を捨ててでも収益化を図る理由」に訂正があります。
小紅書の営業収入について、「報道では、営業収入は10億元程度で、8割が広告、2割がECの販売手数料だと言われています」と記述しましたが、単位が元ではなくドルでした。小紅書の2021年の営業収入は10億ドル(約1290億円)程度と見られています。たいへん失礼しました。お詫びして訂正します。
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