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第216回 先週の主要な動き、日本のクラウドマイニングのプロジェクト
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▼今回の記事
今回も、先週のビットコインを中心とした暗号通貨全体の動きを概観する。暗号通貨の全般的な相場は大きく下落していた。次にメインテーマとして、クラウドマイニングのサービスで日本の企業が提供しているものをいくつか紹介する。
▼ステーブルコインの暴落の影響
それではいつものように、ビットコインを中心とした暗号通貨の先週の全体的な動きを概観する。
先週は世界最大のステーブルコインのテザー(USDT)が暴落した。これが、ビットコインを中心とした暗号通貨の相場全体を押し下げる原因になったのである。
ちなみにテザーは、ドルとの1対1のペッグを維持して価値を安定させるため、同コインの発行元である「Tether Operations Limited」がテザーの発行枚数と同額のドルを担保として保有している。このためテザーの保有者は、いつでも保有するテザーを発行元に売り、同額のドルを買い戻すことができる。これがテザーのドルペッグを支える仕組みだ。
しかしながら、2014年のテザーの発行以降、発行元にである「Tether Operations Limited」が本当に同額のドルを保有しているのかどうか疑惑が持ち上がり、テザーの売りが殺到して価値が暴落したことが何度かある。このため2018年には、いくつかの大手の取引所からテザーはが排除されたこともあった。テザーの発行元が、担保としているドルを持ち逃げするのではないかとのうわさも出た。
今回のテザーの暴落も、過去と同じ懸念が原因だ。本当に発行元が、テザーのドルペッグを維持できるだけのドルを保有しているのかどうかが疑問視され、テザーの売りが進み相場が暴落した。もしこの時点で発行元がドルの償還ができなければ、テザーの信用は崩壊して、テザーは存在しなくなっていたであろう。しかし、発行元が過去24時間の6億ドル(約770億円)を含め、償還に問題はなかったと発表したことで、テザーはドルとのペッグを回復し、相場は元に戻った。
実は今回のテザーの暴落には、もうひとつの原因があった。それはTeraUSD(USD)の暴落である。これは2020年に発表されたやはりドルペッグの新しいステーブルコインだが、テザーに比べると発行枚数はずっと小さい。ドルペッグを保証するシステムはテザーと同じで、発行元が発行されたTeraUSDと同額のドルを保有することで、保有者からの償還に応じる。
今回、TeraUSDの発行元が保有するドルの額に疑念が生じ、TeraUSDのいっせい売りが発生したのだ。TeraUSDの発行元はドルの償還に応じなかったので、ドルとのペッグは外れ、TeraUSDの相場は大暴落した。これが背景となり、テザーのような他のステーブルコインでも同じことが起こるとことが懸念され、テザーの暴落を引き起こした。
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