■スモールビジネスの概要
お金と時間の面で自由になりたければ、スモールビジネスだ。安定し
て高い収入を得ることができ、充実したプライベートを過ごすことが
できるからだ。
また、自分の独自性を生かすことができ、追求のしがいのある目標が
持てる。しかも、共通の価値観を持ち、時間と気持ちに余裕のある友
人ができ、対人関係のストレスからも解放される。
勤め人でこれらを手にすることは難しい。時間的な余裕や安定した高
収入、追及しがいのある目標を生涯保証してくれる会社は少ないから
だ。コロナの影響でその傾向はさらに加速している。
高いリスクを取るベンチャー起業は、大きなリターンが期待できる。
資金調達環境や起業ノウハウも改善している。ただ、強いプレッシャ
ーにさらされた生活になるし、成功率も高くない。
スモールビジネスで成功してからベンチャービジネスに乗り出すこと
もできる。実際、そうする人は多い。立ち上げたスモールビジネスを
売却していちど休憩する人もいる。
このようにスモールビジネスで成功することは、様々な生き方へのパ
スポートになる。外部の株主がいないため、成長も売却も義務ではな
い。自分の生き方を自由に選ぶことができるのだ。
★
ここでは、自由に使える金を年3000万円以上、2年以内に創出でき
るビジネスをスモールビジネスとする。売上は100億円以下だ。成
長より安定を重視し、関係者への利益を最優先するビジネスだ。
オーナーの生き方を制約しないように、外部からの資本を入れず、自
己資本で運営する。ただし、副業などの小さなビジネスや、反対に株
式公開を目指すベンチャーなどは除外する。
なお、スモールビジネスには、適しているビジネスの基本条件がある。
自分が考えているアイデアが、この条件に適合するかを、最初にチェ
ックしておくべきだ。
まず、課題自体に多くの人が気付きづらいビジネスであることだ。ビ
ジネスを生み出す基本フローは「課題に気付く」「解決策を考える」、
「実行する」の3ステップだ。
その時、課題が多くの人の目に触れる、気付かれやすいものだと、参
入者が過剰になりがちになる。すると、少ない投資で成功し、安定的
に稼ぐことが難しくなる。
だから、そもそも存在さえ知られていない課題に取り組むほうがいい。
少数の人しか持っていない強いニーズを発見したら宝の可能性がある。
これを常に血眼で探すことだ。
たとえば「誰かが不満を述べていないか」「特殊な行動を取ってい
ないか」に常に注目するのだ。それを見つけたら「なぜ、そういうこ
とが起きているのか」背景を考えるのだ。
★
自分の趣味や経験が生きることに取り組むべきだ。優位性を持つため
だ。「自分にしかできない」というと大げさなようだが、そんなこと
はない。一般人よりうまくできれば問題ない。
属人的ならなおいい。一般に、属人性があると拡大しづらい。だから、
ビジネスの敵とされがちだ。つまり、これがあれば、絶えず拡大を求
められる大企業やベンチャーは参入しづらいのだ。
さらに、称賛されないビジネスがいい。称賛されるビジネスは、市場
機会に対して参入が過剰になりがちだ。また、困難な課題に挑むこと
が称賛されることが多い。つまり、成立しにくいビジネスなのだ。
「褒められたい」という欲求を排除すれば、成功確率が高まる。褒め
られても儲かるわけではない。不必要な感情からは自由になるべきだ。
そして、利益だけを追求すべきだ。
できれば、すでに類似サービスにお金を払っている人がいる市場がい
い。すでに競合がいる分野に参入するのだ。自分でまったく新しい市
場を創出することは難しい。
すでに儲かっている市場に参入し、そのお金を少しだけかすめ取るこ
とを考えるのだ。大企業は大量の機会損失を出しているものだ。その
おこぼれをわけてもらうだけで、数億円の売上はすぐ立つのだ。
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