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第217回 先週の暗号通貨の動き、ビットコイン相場の底値をめぐるSNSの議論
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▼今回の記事
ビットコインを中心とした暗号通貨の相場は、下落基調にある。これからどうなるのか、どのあたりが底になるのか、さまざまな予想が個人投資家が集まる「テレグラム」などのSNSで出ている。それらを紹介する。
また、エルサルバドルの状況や、ビットコインをポートフォリオに組み込んだ「確定拠出年金」などの動きを紹介する。いつもの分野別の紹介は、今回は割愛させていただく。
▼不安定な相場と弱気の予測
それではいつものように、ビットコインを中心とした暗号通貨の動きを紹介する。個人投資家が集まる「テレグラム」のようなSNSのスレッドで、注目されている情報をメインにして紹介する。
ビットコインの相場の不安定な状態は続いている。5月5日には511万円だった相場は、5月12日には367万円まで一気に下落した。いまは少し相場を戻し、5月23日の時点では390万円程度で取引されている。しかし、これが底値であると見る意見はほとんどない。どこが底値になるのかさまざまな予測が飛び交っている。個人投資家が集まるSNSの「テレグラム」で注目さてている予測をいくつか紹介する。
●ビットコインの実現損失
まず最初は、ビットコインの実現損失に注目して今後の相場を予測したものだ。実現損失とは、ビットコインなどの暗号通貨を売買したときに発生した損失の総額を示す概念である。5月22日の時点におけるビットコインの実現損失の総額を見ると、史上2番目に高い水準に達したことが分かった。これを上回るのは、ビットコインがわずか数日で750万円台から410万円台の安値まで下落した2021年5月の暴落のときだけだ。
過去のデータを見ると、今回に近い水準の実現損失を記録しているのが、2018年12月の上昇期の終了時、2020年3月の新型コロナウイルスのパンデミックによる暴落時であった。こうした過去の暴落時ではそれぞれ約2カ月で相場は底を打ち、また上昇期に突入した。だが今回は、そのようなパターンになるかは分からないとしている。
それというのも、現在は実体経済の慢性的な停滞の可能性が出てきているからだ。2018年12月の世界経済の成長率は高かった。また2020年3月のパンデミックによる暴落も、当時はパンデミックが数カ月で終了すると考えられており、経済停滞の長期化は想定されていなかった。実体経済のそうし楽観性を反映して、ビットコインの回復は早かった。
ところが今回は、パンデミックの回復に伴う需給ギャップがあるところにウクライナ戦争と中国のゼロコロナ政策によるグローバルサプライチェーンの寸断で、高インフレが長期化し、食料危機を含む世界経済の慢性的な停滞が深刻に懸念されている。そのため、2018年や2020年、また2021年の暴落時のように相場が比較的に早い段階で底値を打ち、上昇に転じるのかどうかは分からないという見方が強い。
●デスクロスと底値、288万円
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