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伏木悦郎のメルマガ『クルマの心』
第477号2022.5.17配信分
●「宿?ある訳ないでしょ」
ドイツの話を続けたい。今でこそ世紀の大実験『EU(European
Union=欧州連合)』の中核を成し、二度に渡る20世紀の世界大戦の
敗者から復活を遂げた感があるが、私が初めて見た1980年代前半の
旧西ドイツは質実剛健を地で行く印象を強くした。
初渡航がフランス~スイス~イングランド~フランス。永世中立
国を挟む戦勝連合国往来となったのは偶然だが、当時の英仏に今ほ
どの活気はない。UKはM.サッチャー政権が新自由主義を掲げ、
英国病からの立ち直る端緒についたところであり、フランスも花の
都パリはともかくまだまだ長閑な雰囲気が漂った。世界三大レース
に数えられるルマン24時間も鄙びた雰囲気が残るころだった。
パリ到着一泊目のグランドホテルに投宿。翌日からは近くの旅行
案内書でで安宿を紹介してもらい2泊できたが、4日目から何か雰
囲気が違う。聞けば明日ローマから法王(ポープ)がやって来る。
フランスは敬虔なカソリックの国。ポープの人気は絶大で、国中か
ら信者がパリに押し寄せるとか。
「宿?ある訳ないでしょ」聞いてないよぉ、なんてギャグもない頃。
フランス語はもちろん英語だって覚束ない私は途方に暮れた。窮余
の一策はレンタカー。私は未だクレカを手にする身分ではなかった
が、銀行勤めの経験がある新婦の家内は所持。これに救われた。
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