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『 田中優の未来レポート 』
第260号/2022.5.30
http://www.mag2.com/m/0001363131.html
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隠された巨大地震の「前例」、貞観地震(上)
貞観(じょうかん)地震を知っているだろうか。西暦で869年に東北・関東を襲った大地震だ。実は2011年に起きた東日本大震災の前に、「原発を襲うかもしれない地震と津波の話」として、2002年頃に聞いたことのある名詞だった。残念ながらどこで読んだか思い出せず、インターネットで検索しても見つけられなかった。
2002年7月、政府の地震調査研究推進本部は「三陸沖から房総沖にかけての地震活動の長期評価について」を公表している。これまで文書記録のない福島沖から茨城沖を含めて、日本海溝沿いのどこでもM8級の津波地震が今後30年以内に約20%の確率で起こると予測していた。
https://www.jishin.go.jp/main/chousa/kaikou_pdf/sanriku_boso.pdf
しかし東日本大震災後の調査で、東日本大震災と貞観地震がよく似ていると指摘された。
「東日本大震災以降の古地震・古津波研究と防災施策」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/safety/54/5/54_331/_pdf/-char/ja
地形・地質の痕跡を調べ、過去にも同様の津波が襲っていたことが明らかになったためだ。先行的な調査もあったが、重点的に調べられたのは東日本大震災の後であった。
この「貞観地震」は菅原道真らが編纂した「日本三大実録」という歴史書に記録されている。しかし1200年前のものだったために2002年「地震調査研究推進本部」作成の「三陸沖から房総沖にかけての地震活動の長期評価について」の調査対象には含まれなかった。
その「地震調査委員会」の報告が出されたころに、「貞観地震」が含まれていないことを批判した論文を読んでいたのかもしれない。これを含んで調査していたならば「東日本大震災」は決して想定外などということはないことになる。
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