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vol.126:SoCとは何か。中国と台湾の半導体産業。メディアテックとTSMCを追いかける中国

知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
  • 2022/05/30
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 126 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。 今回は、台湾と中国の半導体産業についてご紹介します。 台湾のTSMC(台湾積体電路)が熊本県に工場を建設することが話題になっています。投資額は1兆円を超えると言われていますが、4000億円を日本政府が負担をすると報道されています。九州はシリコンアイランドの復活だと湧いているようです。 10年前の状況から考えると隔世の感があります。10年前、あるいは20年前ですら、技術に詳しい人は「日本の半導体産業は台湾に負けるかもしれない」「いや、もう負けていて、もはやメディアテックやTSMCの周回遅れになっている」と語っていました。しかし、なぜか政治の世界では「半導体は日本が世界に誇る基幹産業のひとつ」のままで、「台湾は低コスト戦略一方で、技術力は低い」という認識のままでした。現状を把握するのが10年か20年は遅いのです。今の時代、10年遅いというのは致命的です。 しかし、こういう認識も仕方のない部分もあります。実際、メディアテックも20年前は、技術力は低く、低コストしか魅力のない企業でした。そのため、国際市場ではほとんどシェアを取ることができず、仕方なく、深センで盛んになっていたノーブランド携帯電話「山寨機」市場に目をつけます。ここから、メディアテックの成長が始まり、技術力を急上昇させてきました。 また、半導体製造企業であるTSMCは、最初から世界最高の技術水準を目指して創業された意欲的な企業です。これに台湾政府もファインプレーとも言える政策支援を行い、台湾の半導体産業は米、韓国に肩を並べ、台湾の基幹産業になっています。 しかし、台湾企業も安穏とはしていられません。技術力の点ではまだまだ大きな差があるとはいうものの、中国の半導体産業=チップテック企業が軌道に乗ろうとしています。中国政府も、公的機関で使用する5000万台のPCを、すべて国産に置き換える(PCだけでなく、OSやソフトウェア、チップ、部品まで国産化することが目標)という大胆な政策を始めています。中国の半導体産業も、低価格製品の分野では存在感を増しそうです。 そこで、今回は台湾のメディアテックとTSMCがどのように成長してきたかをご紹介し、チップの名称としてよく使われるようになった「SoC」(システムオンチップ)についてご紹介します。 知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 126 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼目次▼ SoCとは何か。中国と台湾の半導体産業。メディアテックとTSMCを追いかける中国 小米物語その45 アリババ物語その45 今週の「中華IT最新事情」 Q&Aコーナー ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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