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第169号 モナ・リザの苦笑い/尾ひれのついた話/海月/ブックレビュー

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  • 2022/06/01
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「モナ・リザの苦笑い」 3週間ほど前の5月9日、アンディ・ウォーホルの『マリリン・モンロー』が、クリスティーズのオークションで約2億ドル(約250億円)で落札されました。そして、5月18日には「ZOZO」の創業者の前澤友作氏が所有するジャン=ミシェル・バスキアの作品が、フィリップスのオークションで約110億円で落札されたと報じられました。たった1枚の絵に100億円だの200億円だのと、あたしにはまったく理解できない感覚ですが、世界中に現存する有名な絵画の中で、最も高額な作品は何だと思いますか? たぶん、多くの人が正解したと思いますが、それは、パリのルーヴル美術館が所蔵しているレオナルド・ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』だと言われています。こうした美術館所蔵の作品は、オークションなどに出品されることがないため、現在の正確な価格は「推定」になってしまいますが、60年前の1962年に1億ドルと査定された『モナ・リザ』は、2020年に「最低でも約8億6000万ドル」と推定されました。 「岸田インフレ」によって進み続ける円安は、とうとう1ドル127.5円にまで到達してしまいましたが、このまま岸田首相が何もしなければ、年内には1ドル150円を超えると言われています。ま、それはともかくとして、現在の1ドル127.5円で計算してみると、『モナ・リザ』の推定価格8億6000万ドルは、ナナナナナント!1096億5000万円!しかも、これは2020年の時点での推定価格ですから、もう1100億円を超えているかもしれません! あたしは美女が大好物なので、本当に「美しい」と感じる女性の肖像画なら、美術館などで眺めるのは好きです。でも、あたしは一度たりとも『モナ・リザ』を美しいと思ったことがありません。特に美人とも思わないし、何よりも眉がないので不気味です。とは言っても、もしもパリのルーヴル美術館へ行く機会があれば、やっぱり実際に見てみたいと思っています。それは、たった1枚で1100億円もする絵がどれほどのものか、一度くらいは見ておきたいからです。 こんなあたしは「無粋なBBA」と呼ばれても仕方ありませんが、ついにあたしを超える「無粋なBBA」‥‥というか「無粋なBBAに変装した犯罪者」が現われたのです! 5月29日の日曜日、あたしのヘアスタイルに良く似たウィッグを被り、高齢女性に変装した男が、車椅子に乗ってルーヴル美術館を訪れました。そして、世界一高価な絵画、『モナ・リザ』の前まで行くと、突然、車椅子から飛び降り、『モナ・リザ』にケーキを投げつけたのです!ケーキは『モナ・リザ』を保護している防弾ガラスに当たり、白いクリームがべっとりと付着しました。すると、男は『モナ・リザ』に駆け寄り、今度は防弾ガラスを破壊しようと暴れ出したのです。 ここで、男は駆け付けた警備員に取り押さえられましたが、外につまみ出されるまで、男はギャラリー内に真っ赤なバラの花を撒きながら「皆さん!地球を思い浮かべて!人々は地球を破壊しようとしている!我々はこの問題を考えなければならない!」などと意味不明なことを叫び続けました。逮捕された男は36歳で、この発言から「頭のイカレた環境活動家」と報じたメディアもありましたが、とりあえず男は警察の精神科へ送られました。

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