今後のアメリカ経済が歩む道としては、
第一の道(正しい道)としては、パウエルFRBが高インフレを真
面目に退治しようとして、政策金利を3.5%以上に引き上げて
(もしかしたら4-5%くらいか?)、アメリカ経済を景気後退
入り(リセッション入り)させてしまう道が想定されます。
第二の道として、パウエルFRBがアメリカ経済を景気後退入り
(リセッション入り)させないように細心の注意を払いながら政
策金利を穏やかに引き上げてゆくので、アメリカ国内のインフレ
率は引続き猛威を振るい続けてしまい、アメリカ経済がスタグフ
レーションっぽい状態に陥ってゆく道が想定されます。
第二の道に、「FRBへの信認」の喪失、「ドルへの信認」の喪失
が重なれば、アメリカでは「1970年代のような二桁インフレ
が猛威を振るうスタグフレーション」が巻き起こる危険性さえあ
ります。
第三の道は、可能性としては低い物の、幸運が重なって、アメリカ
経済がソフトランディングする道です。
おそらく、今後のアメリカ経済は、第二の道を歩むことになるで
しょう。
6月2日、米銀JPモルガンのダイモンCEOは、「それが小型な
ものか、超大型なのかは分からないが、投資家は経済の『ハリケー
ン』に身構えるべきだ」と警告を発しました。
翌日3日には、ゴールドマン・サックスのウォルドロン社長も、前
日のダイモンCEOに同調するかのように、同じような警告を発
しました。
5月27日、「アメリカの4月のPCE(個人消費支出)デフレー
ター」が発表になり、「アメリカ国内のインフレの一時的な頭打ち
感」が鮮明になりました。この日の統計を受けて、市場には「FRB
はインフレをコントロールできているようだ」「FRBは当面金融
引き締めを急がないだろう」という「根拠の無い楽観論」が広がっ
て、市場には「かりそめのリスクオン」の流れが戻って来ていま
す。
けれども、今年の夏にもなれば、「FRBはやはりインフレをコン
トロールできていないようだ!?」「FRBは金融引き締めを急ぐ
のか!?!」といった懸念が、再び急速に台頭してくることでし
ょう。
秋にもなれば、もはや「高金利、物価高、景気後退の三拍子揃った
スタグフレーション」が「近い将来のアメリカに到来すること」は
より現実味を帯びて来ることでしょう。
「スタグフレーションは来る!」、問題は「そのスタグフレーショ
ンがいつ頃、どれくらいの規模でアメリカ経済を襲うのか???」
なのです。
遅かれ早かれ、内外の株式市場では、ナスダックはバブル崩壊へ。
遅かれ早かれ、S&P500は弱気相場入り(20%以上30%未
満の大幅調整)へ。
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