COVID-19パンデミックで失ったもの

ドクター畑地の診察室143.2022.6.5. 現役呼吸器内科、総合内科専門医 畑地治です。 世の中に「○○飲んだらすべての病気が治った」「○○制限食をとったらすべての人が健康になる」等、出鱈目情報が溢れています。現代医療の特徴は精密医療で万人に効くような治療はありません。治療方法は個人によって全く違います！おそらく日本で一番多くの呼吸器疾患患者（肺癌、喘息、COPD、肺炎など）を診療する専門医が、最先端の精密医療を解説＆ネットでは出し辛い医療や治療の裏側も配信！ https://zipangu-management.co.jp/culture_000/hataji/ 三重県出身　自治医科大学卒業後、僻地診療、三重大学勤務を経て、呼吸器内科医師となる 松阪市民病院院長 診療の傍らFM三重で「肺、おさむに聴け！radioを聴いてらんらんらん（lung lung lung）」という毎週月曜日放送の番組を担当 https://fmmie.jp/program/getsumoku/hiosamu.php ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ COVID-19パンデミックで失ったもの 以前にも書いたことがあるのですが、私はネクタイ集めが好きで、特にgiraffeというブランドのネクタイをたくさん集めていました。個性的なネクタイの新作が、毎年2回、3月と9月頃に発表され、とっても魅力的だったので、いつも新作が発表されたら数本購入していました。 ところがです。昨年末頃より定期的な新作が発表されなくなり、今年になってからはLOTTEチョコレートとコラボしたネクタイ以外、全く新作が発表されていませんでした。昔と比べ、ネクタイを着用する文化が衰退してきたことに加え、COVID-19のパンデミックの影響で会合やイベントが激減し、講演会もWEBにシフトしたためネクタイを着用する機会がなくなってきたことが最大の理由かと思います。また、ネクタイがタイピンとセットになっていることが多く、単価が比較的高め設定であり、景気が悪くなるともっと安いネクタイを着用するようになったことも１つの理由かもしれません。 毎年2回、この新作を心待ちにしていた私としてはなんとも残念なことでした。さらに、名古屋駅の高島屋ゲートタワーモールにあったgiraffe店舗を訪れると、なんと跡形もなく無くなっていました。早速ネット上で確認したところ、東京の数店舗と大阪の１店舗を除いて全て閉店しており、もはや経営が大丈夫かというレベルなのかもしれないと心配しています。頑張れ！giraffe！！ 朝、松阪から東京に向けて出発すると名古屋まで1時間強、それから約９０分新幹線に乗り昼過ぎに東京駅に到着します。いつも東京駅まで昼食を我慢し、八重洲口で下車した後、グランルーフにある“伊達の牛タン”で極厚芯タン定食を食べるのが私の密かな楽しみの１つでした。麦飯にスープと合わせて焼いた牛タンを食べ、これが絶妙なハーモニーで美味しく、東京で仕事をする元気が湧いたわけです。ところが、久しぶりに東京に降り立ち、昼食を取ろうと店があったところを訪れると、またまた店が無くなって鰻屋さんになっているではありませんか。お目当ての定食を食べることができず、かなりショックを受けました。 身近なところでもCOVID以前にあった店が閉店され、様子が変わってきています。しかし、何より変わったのは生活様式でしょうか。ちょっとした飲み会が激減したのみならず、１年間で1番楽しみにしていた病院の忘年会とクリスマス前の病院旅行で韓国のソウルで参鶏湯を食べることができなくなりました。松阪祇園祭で神輿をかつげなくもなりました。COVIDよ、もういいだろう、どこかへ行っておくれ！！と言う思いです。 今年の冬は、是非病院の忘年会と病院旅行を復活させたいものです。 ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ ドクター畑地の診察室143.2022.6.5号