インフレという魔物が一旦「魔法のビン」から飛び出てしまうと、
それを退治するには「並大抵の引き締め」では済まないのです。
多くの先進国では1970年代にこの「スタグフレーション」を
経験します。アメリカでも、1960年代の長い長い放漫財政が
災いして1970年代には一転してスタフフレーション(不況の
中の物価高)に苦しみました。そのスタグフレーションを根治す
るまでおよそ10年もの長きに渡ってアメリカ経済は四苦八苦を
続けました。
巡り巡って、21世紀の2022年、今の先進各国では「1970
年代」を振り返るのが、ブームになっています。
「1970年代の反省」から学ぶことは、下記の通り。
↓ ↓ ↓
・1968年から1972年にように「コアPCEが5%」まで上
昇してしまったら(今のアメリカ経済がこれ!!!)、景気後退を
怖れること無く、政策金利を10%あたりまでびしばし引き上げ
て、その引き締めを長期にわたって継続する必要があった。
・ところが、1970年に就任したアーサー・バーンズFRB議長
はこの5%インフレを退治するのに就任当初から「腰砕け」だっ
た。経済を景気後退から早く回復させたいあまりに、その金融引
き締めは70年代を通じて一貫して不十分だった。(今のアメリカ
経済はこれ!!!)
結果、その後のアメリカでは今度は10%もの高インフレが猛威
を振るい、スタグフレーションが本格化した。
・一旦、10%もの二桁インフレが巻き起きてしまったら、景気後
退を怖れること無く、政策金利を20%まで引き上げて、その
引き締めを長期に渡って継続しなければ、高インフレは根治され
なかった。それを断行したのは、あのボルガー議長だった。
「歴史は繰り返さないけれども韻を踏む。」
巡り巡って2022年。
この夏から秋あたり(?)にかけて、高インフレが再び猛威を振る
い始めて、市場で「リスクオフ・モード」が進行、いよいよナスダ
ック・バブルが完全に崩壊するかもしれません。
それに驚いたパウエルFRBは秋には利上げを中止するか、利下げ
を行う可能性があります。
しかしながら、パウエルFRBが利上げを一時停止したり、再び利
下げへと転じるようなことになれば、後の「スタグフレーション
(不況の中の物価高)時代」の本格的な幕開けの「導線」になって
しまうこと、「必定」でしょう。
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