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知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
vol. 128
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みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。
今回は、シェアリング自転車の競争史についてご紹介します。
2016年から2018年にかけて、中国でシェアリング自転車が大きな話題になったことは耳にされている方も多いでしょう。しかし、過剰投入された自転車が街角に野積みをされるなど社会問題を起こし、大手のofoは破綻、mobike(モバイク)は身売りをし、過剰な競争は終わりました。
しかし、シェアリング自転車が時代の徒花であったわけではなく、現在では市民の足として定着をしています。工信部などは人民出行という国営企業を設立し、電動自転車のシェアリングサービスを始めています。大都市では最後の1km、地方都市では短距離移動のツールとして着実に定着をしています。
今回、注目するのは、その競争史です。中国で新しいビジネスが登場すると、1位と2位がテック企業の潤沢な資産を背景に、クーポンを乱発する焼銭大戦が始まるのがいつものことです。そして、勝ち抜いた方がシェアを取り、市場を支配して沈静化します。
しかし、シェアリング自転車は1位が破綻、2位が身売りにより大幅縮小をし、ダークホースだったハローバイクが結局市場を制することになりました。きわめて珍しいパターンです。
これにより、ビジネスセミナーや経営学などの分野で、ケーススタディとして取り上げられることが増えています。
さらに、興味深いのが、この3社はコンセプトが異なっていたことです。ofoは自転車普及の社会運動でした。モバイクはビジネスです。最後に市場を制するハローバイクは事業を継続させることが目的になっていました。思想と金と事業。それぞれにコンセプトが異なり、最後に買ったのは事業の継続を目指したハローバイクでした。
この競争史を研究することで、起業に必要なことは何なのかということが見えてきます。そのため、ケーススタディに使われるのです。
今回は、シェアリング自転車の競争史についてご紹介します。
知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 128
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