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今市的視点 IMAICHI POINT OF VIEW
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6月12日号
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主要国で唯一の日銀の緩和継続円安容認が米国の圧力によるものという噂は事実なのか陰謀論か
日銀黒田総裁は7日の国会発言で家計の値上げ許容度
は高まっているなどと言ったことが大問題になり、
この夏の参院選でも岸田インフレなどと呼ばれないよう
に気を使っている政権からも当然文句がでたようで、
渋々謝罪して取り消す事態になりました。
まあ御当人は渋々謝罪をする羽目になりましたが、緩和
についても円安についても任期一杯止めるつもりは
ない様子です。
ただ、市場の投機筋の間ではこの日銀の頑なな姿勢に対して、
米国から岸田政権、財務省、日銀になにか緩和継続の圧力
がかけられているのではないかといった穿った見方が
顕在化してきており、それが事実なのか誰かの陰謀論なのか
といった議論が水面下で静かに進行中のようです。
ただファンドの運用者は実際悉くこう思っているようで
それこそが円売り加速に繋がっているともいえる状況です。
FRBもECBも緩和から引き締めに動いているわけですから
とにかく日銀だけが市場に流動性を提供することを米国かあ
求められた結果が足元の状況であるとみると確かに相当
相場の先行きがよくわかる話でもあります。
政府と日銀は10日の国際金融資本市場に関する情報交換
会合後に声明文を発表し、最近の為替市場では急速な円安
進行が見られ憂慮しているとし、必要な場合には適切な
対応を取ると表明していますが、見た感じすっかりやって
ます感だけが醸成されているようで具体的にはなにもしない
ことが透けて見えてくる状況です。
■QEをやめQTも始めた米国ではまともに米国債を買うのは日本だけのお寒い状況
足もとの米国債市場はロシアが購入を中止、中国も購入激減
で実はQEを続けてきたFRBこそがもっとも大きな買い手
となっていました。しかし量的緩和の巻き戻しでほどなく
してQEは修了、逆にQTとしてFRBは米国債を含む資産
の売却を今月から開始しこの先そのボリュームはさらに大きく
なろうとしているわけですからもはやお得意様は日本政府
か日本の機関投資家筋ぐらいしか存在せず、ここで日銀に
政策金利上げなどをされてしまっては商売あがったりになる
ため米国こそが緩和継続を強く日本に要請してきているの
ではという見方がでるのはよくわかる状況です。実際
バーナンキ時代のFRBが出口に向おうとしたときも日本
とECBが緩和で支えるという不思議な構図があからさまに
なったことがありますが、米国にとっては日本は極めて
都合のいい利用度の高い存在であることを思うと米国こそ
が日本に緩和継続の圧力をかけているというのも単なる
陰謀論とは思えない節があります。しかも黒田総裁の確信犯
的な発言を聞くにつけ、これどこかのだれかにそうするよう
に言われてやっているのではと疑う向きが多くなるのも事実
です。
■新しい資本主義もアベノミクスの上書きでインフレ下のMMT実行に突入
さらに先ごろ発表された岸田政権の骨太の方針も財政健全化
は大きく後退し事実上アベノミクスを継承するかのような
内容に収まってしまっています。平たく言えばインフレ下で
さらにMMT理論を実践しようとするようなものですから、
日銀の金融緩和がやめられないのは当たり前で、ここからも
延々と日銀は政府政権の事実上の財政ファイナンスを続けて
行くことになるのは規定路線となっているようです。
こうした岸田首相の凄まじい宗旨替えというのも安倍元総理
からの強烈な要請のみならず米国からの緩和継続圧力により
修正を余儀なくされているものだと見ると非常に納得しやすい
ものがあります。
■海外の投機筋はすでにこの構造を見抜いて円安に賭けてきている
米系の投機筋はこうした日米の歪んだ構図をしっかり見抜いて
いるようでここからも簡単には円安は止まらないとみて猛烈な
買いを入れてきています。実際この四半期ベースでは原油先物
の次にドル円の買いで儲けを積み上げた短期投機筋も相当な数
になっているようで米国の事実上の監視下におかれている
本邦の緩和政策継続、円安容認は簡単には収まらないと確信
していることがわかります。先週ドル円は135円を突破せず
に終っていますが、週明けFOMCや日銀政策決定会合を通過
すれば135円に到達する可能性は極めてたかそうで、さらに
円安が進むと考えている市場参加者が激増していることが
危惧されるところです。ここでご披露した噂はあくまで噂
ですから俄に信用するわけには行きませんが、現状の相場
のディテールを分析すると日本に緩和継続をするように
言ってきているやつがいるというのは決して架空の話とは
思えないものが感じられます。果たして真実はどうなので
しょうか。
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