1)巨大調剤センターに町の薬局が飲み込まれる?
6月は今後の政府の方針を占う重要な政府文書が多く出されますが、その中で重要な文書を3点あげるとすると、骨太の方針、成長戦略、そして今回取り上げる規制改革実施計画です。
この規制改革実施計画、骨太の方針や成長戦略との大きな違いは、既にある規制を廃止、変更することに特化している点です。
例えば成長戦略は日本の経済成長に資する政策全般を取り扱っているため、規制だけでなく、予算、税制を活用した経済政策についても取り扱いますが、規制改革実施計画はあくまで規制を変えることで、日本経済活性化していくことを目指しています。
さて、6月に公表された規制改革実施計画の中で、薬局規制も取り上げられています。
薬局の調剤(ここでは薬の調製やとりそろえの意味で使っています)は、処方箋を受け取った薬局が最初から最後まで実施する、ということが現在のルールですが、そのルールを変えて、調剤の一部を外部機関に委託できるようにしよう、という提案です。
これは調剤の外部委託というしくみで、多くの医薬品をそろえた調剤センターが調剤業務を行い、服薬指導は薬局の薬剤師が行うという薬局間の分業モデルとして、アメリカやヨーロッパのいくつかの国では広く使われています。
アメリカの調剤のうち30%以上がこの調剤の外部委託のスキームで行われていることが厚労省のWGでも報告されています(※)。
※2022年3月31日 第3回薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループ 資料2-3
薬の調剤料も薬局の重要な収入源の一部なわけですから、制度の内容如何では薬局の経営に大きな影響を与えます。
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)