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第171号 侮辱罪の厳罰化という政権批判封じ/雨に唄えば/雹/ピンからキリまで

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  • 2022/06/15
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「侮辱罪の厳罰化という政権批判封じ」 「インターネット上の誹謗中傷対策」という大義名分を盾に、自民党が推し進めて来た「侮辱罪の厳罰化」を含む改正刑法が6月13日、与党などの賛成多数により、参議院の本会議で可決・成立してしまいました。これで、自民党政権を批判する国民を監視するため、萎縮させるための悪法が強行採決されたのは、2013年11月の「特定秘密保護法」、2017年6月の「共謀罪を含む改正組織的犯罪処罰法」に次いで、3本目となりました。 また、今回の法案は、三原じゅん子参議院議員が座長をつとめる自民党プロジェクトチームが政府へ提言書を提出したのが2020年6月なので、3本すべて安倍政権下で提言された悪法ということになります。 さて、今回の「侮辱罪の厳罰化」の発端となったのは、女子プロレスラーの木村花さんが、インターネット上の誹謗中傷を苦に、2020年5月に自殺してしまった事件だと言われています。その後、木村花さんへの誹謗中傷を行なっていた者は数多くいたのに、実際に立件できたのは2件だけで、その罰も僅か9000円の科料だったことから、厳罰化への声が高まりました。 事実、木村花さんのお母さまも、当初から「侮辱罪の厳罰化」に支持を表明していましたし、今回の成立を受けての記者会見では「これまでの侮辱罪では抑止力にならなかった。私の中では『やっと』という思いが強い。(支持してくれた人たちに)感謝の思いでいっぱい」と述べました。 これまでの侮辱罪の刑罰は「30日未満の拘留又は1万円未満の科料」だったため、この「9000円の科料」は上限ギリギリのものでした。しかし、人の命を奪ったのに、これでは軽すぎるということで、今回「1年以下の懲役と禁錮(拘禁刑)、30万円以下の罰金」という法定刑に変更され、事実上の厳罰化となりました。犯罪の刑罰には「犯罪抑止」という側面もありますので、今回の厳罰化には一定の抑止効果も期待できると思います。 これだけであれば、あたしもこの改正法案に賛成していました。しかし、常に「国民の権利など二の次」という自民党政権が、こんな美味しい法案を自分たちの権力維持に利用しないはずがありません。以下、今回の改正法案を推進した自民党プロジェクトチームの座長をつとめた三原じゅん子参議院議員と、映画評論家の町山智浩氏との当時のツイッターでのやり取りです。 三原じゅん子 @miharajunco インターネット上の匿名での誹謗中傷の人権侵害に対して、政治家として動き出します。 午後1:02 2020年5月25日 町山智浩 @TomoMachi 木村花さんを政治に対する批判封じ込めに利用しないで欲しいです。 午前8:43 2020年5月26日 三原じゅん子 @miharajunco 何度も書いていますが、批判と誹謗中傷の違いを皆さんにまず理解して頂く事が大切。 まして政治批判とは検討を加え判定・評価する事です。何の問題も無い。ご安心を。 しかし、政治家であれ著名人であれ、批判でなく口汚い言葉での人格否定や人権侵害は許されるものでは無いですよね。 午前9:05 2020年5月26日

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