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伏木悦郎のメルマガ『クルマの心』第479号2022.6.7配信

クルマの心
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□          伏木悦郎のメルマガ『クルマの心』            第479号2022.6.7配信分 ●果たしてクルマは日本人を幸福にしただろうか?  体調万全とは言い難いが、まあ何とか凌いでいる。まだまだ困難 な日々は続くと思うが、人間万事なるようにしかならない。諦める 気はさらさらなく、今は引き続き御講読をお願いするばかりである。  こうして過去を振り返りつつ未来を展望していると、過去およそ 50年半世紀に渡って『クルマを走らせるソフトウェア』がほとんど 進化して来なかったことに思いが至る。  テクノロジーは確実に進歩した。私が運転免許を取得した1970年 (昭和45年)当時と比べれば、より早く、より快適に、より安全に、 そして経済的に……あらゆる方向で過去に存在した不便を解消した 実感がある。  それが近代が生んだクルマのスローガンであり、永遠のテーマと されたといえばそれまでだが、さすがに半世紀以上自動車人をやっ ていると長い物に巻かれることもなく物事を判断する境地に至る。  クルマにとっての技術とは、要するにハードウェア中心であり、 走りのパフォーマンスといういわゆる性能を右肩上がりに追求する ことに尽きる。考えてみれば日本人にとってクルマが身近な存在と なるのはモータリゼーション元年の1966年(昭和41年)辺りから。 すでに56年が経過していることになり、日本車は世界市場を席巻す るほどの実力を手中に収めている。  しかし、問題はここからである。果たしてクルマは日本人を幸福 にしただろうか?経済的な豊かさをもたらしたことは間違いない。 ”皆が揃って(物質的な)豊かさを求めた”昭和の均質性が求めら れた社会(私は敢えてサラリーマン社会と呼ぶ)は、戦後一貫して 追求された規格大量生産を遂行する工業化社会を築き上げるために は最適と言える仕組みだった。  ところが、20世紀最後の10年間となる1990年代は、時代の変化が 音もなく忍び寄っていた。日本で永遠の成長が信じられた1980年代 は、必ずしも自らの実力だけて手にしたモノではなかった。  戦後からおよそ40年にわたって維持された円安為替環境が、義務 教育時分に習った『加工貿易』に有利な状況を産み、戦後伸び続け た総人口(1945年約7000万人~1970年約1億人~2008年1億2808万 人)が”国力”の源泉となっていた。 ●過去14年間で総人口は265万人減となっている

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  • クルマの心
  • 価値観が大きく変化しようとしている今、なすべきことは何か? このまぐまぐ!のメルマガ『クルマの心(しん)』を始めて多くのことに気づかされました。ずっとフリーランスでやって来て40年、還暦を迎えたこの段階でまだまだ学ぶことが多いですね。どうしたら自動車の明るい未来を築けるのだろうか? 悩みは尽きません。新たなCar Critic:自動車評論家のスタイルを模索しようと思っています。よろしくお付き合い下さい。
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