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知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
vol. 129
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みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。
今回は、種草経済についてご紹介します。
「種草」(ジョンツァオ)というのは「作物の苗を植える」という意味で、種まきをすることです。自社ブランドや商品を広めるために、インフルエンサーや一般の人に情報を拡散してもらうマーケティング活動のことです。
狭義には、SNSの投稿記事やムービーに商品タグを埋め込み、読者、視聴者が記事やムービーをタップすると、直接商品購入ページなどが表示されるという仕組みを指します。これはアフィリエイト広告に近い形のもので、投稿者とそのSNSプラットフォームにも手数料が入るため、種草経済と呼ばれるようになっています。
この種草を最初に広く活用したのは、インスタグラムによく似たSNS「小紅書」です。その後、ショートムービー「抖音」「快手」などで取り入れられ、デジタルマーケティング、バイラルマーケティングの世界での基本的な手法のひとつになっています。
この種草で、注目されているのがKOC(Key Opinion Consumer、影響力のある消費者)です。従来のインフルエンサーという著名人、拡散を仕事としている人ではなく、一般の消費者に種草の仕組みを使って、商品情報を拡散してもらう手法です。
今回は、種草経済とKOCについてご紹介します。
知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 129
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▼目次▼
SNS「小紅書」から生まれた「種草」とKOC。種草経済、種草マーケティングとは何か
小米物語その48
アリババ物語その48
今週の「中華IT最新事情」
Q&Aコーナー
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SNS「小紅書」から生まれた「種草」とKOC。
種草経済、種草マーケティングとは何か
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今回は、種草経済についてご紹介します。
「種草」(ジョンツァオ)とは、種まき、作付けといった意味です。この場合、「種」は動詞で「植える」の意味、草は植物、作物のことです。田んぼに稲の苗を植えていくようなイメージです。
ネットで使われる種草という言葉が意味するのは、SNSやショートムービーを使って商品やサービス、ブランドの宣伝、露出をすることを言います。いずれの場合も、SNSプラットフォームが持つ拡散力を利用して、その商品やサービスの情報を必要としている人に到達するのが目的です。
マスメディアの場合、視聴者のうち誰がその商品やサービスを欲しているかはわからないので、全員を網羅するような形で情報を届けます。そのため、コストがかかり、コンバージョン(購入率)は非常に低いものになります。一方、SNSやショートムービーではその商品やサービスを必要としている可能性が高い人にソーシャルマップ経由で拡散をするため、低コストで高いコンバージョンが期待できます。
このようなことは、日本でもツイッターやインスタグラムの公式アカウントなどでごく当たり前に行われています。このような商品、サービス、ブランドの情報を拡散すること全般が「種草」と呼ばれますが、これは広義の種草です。
一方、狭義の種草とは、ショートムービーやSNSの投稿に商品タグを埋め込み、直接購入や資料請求などに結びつけることです。公式アカウントが直接行うこともあれば、アフィリエイト広告のような仕組みを利用して、一般の投稿主に商品タグを埋め込んでもらうこともあります。
このような仕組みがどこで始まったのかは定かではありません。しかし、はっきりと種草が利用されるようになったのは、SNSの「小紅書」(シャオホンシュー、RED)です。小紅書はインスタグラムとよく似ていて、テキスト、写真、ムービーなどを投稿することができ、気に入った投稿主をフォローすることで、その人の投稿が自分のタイムラインに表示されるようになります。その投稿の中には商品を紹介したものも多く、タグをタップすると、商品の購入ページや、小紅書内のショップのページに飛べるようになっています。
小紅書がこのような種草で成果をあげたため、ショートムービーの「抖音」(ドウイン)、「快手」(クワイショウ)なども取り入れ、大きな流通総額を獲得するようになりました。
現在のところ、種草が盛んなのは、小紅書、抖音、快手の3つで、種草経済と呼ばれるようになっています。
この種草の仕組みはバナー広告の進化系です。バナー広告は、ウェブの空きスペースなどに表示される画像で、クリックをすると、商品購入ページや資料請求ページなどのいわゆるランディングページに飛ぶというものです。
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