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長期間の睡眠時無呼吸症候群治療の果てに

ドクター畑地の診察室
ドクター畑地の診察室145.2022.6.19. 現役呼吸器内科、総合内科専門医 畑地治です。 世の中に「○○飲んだらすべての病気が治った」「○○制限食をとったらすべての人が健康になる」等、出鱈目情報が溢れています。現代医療の特徴は精密医療で万人に効くような治療はありません。治療方法は個人によって全く違います!おそらく日本で一番多くの呼吸器疾患患者(肺癌、喘息、COPD、肺炎など)を診療する専門医が、最先端の精密医療を解説&ネットでは出し辛い医療や治療の裏側も配信! https://zipangu-management.co.jp/culture_000/hataji/ 三重県出身 自治医科大学卒業後、僻地診療、三重大学勤務を経て、呼吸器内科医師となる 松阪市民病院院長 診療の傍らFM三重で「肺、おさむに聴け!radioを聴いてらんらんらん(lung lung lung)」という毎週月曜日放送の番組を担当 https://fmmie.jp/program/getsumoku/hiosamu.php *********************************** 長期間の睡眠時無呼吸症候群治療の果てに “226事件”というと1936年2月26日、皇道派の青年将校が1,500人の軍人を率いて決起し、当時の高橋是清大蔵大臣らを暗殺した事件を思い出す人が多いと思います。しかし睡眠時無呼吸症候群について“226事件”もあります。2006年2月26日、山陽新幹線が緊急停車しました。原因は新幹線運転士が肥満体型で、睡眠時無呼吸症候群を患っていたことが判明しました。この事件を機に、一気に睡眠時無呼吸症候群は社会的に認知されていったような印象を受けます。私の無呼吸との付き合いはこの226事件より古く、CPAPという治療装置をつけ始めてから早20年以上になり、人生の半分近くは入眠中CPAPのお世話になっていることになります。 私が初めて“いびき”について気づいたのは中学3年生の修学旅行の時、いびきがうるさいと同室だった友人に指摘されました。その後しばらく指摘されませんでしたが、30歳になった頃、体重が学生時代に比べて20kg以上増加したことも相まって、家人より“夜入眠中息が止まっていること”“いびきがかなりうるさいこと”などを指摘されるようになりました。 その後、どれだけ早く就寝しても“眠い”“頭が重い”“車の運転中眠くなる”などの症状が出現するようになり、ちょうどその頃くらいから睡眠時無呼吸症候群という病気が認知されるようになり、私もそうではないかと疑うようになりました。 三重大学呼吸器内科時代、近くのA病院に週1回外来手伝いに行っていたのですが、その病院に睡眠時無呼吸症候群を調べるための“PSG”という機械が導入されることとなりました。無呼吸の外来担当として私に白羽の矢がたったわけですが、まずはその前に私自身1泊2日でPSG検査をしてみることになったわけです。 結果は、見事なまでに睡眠時無呼吸症候群があり、1時間あたりほぼ25回10秒以上の呼吸停止があることが判明しました。そこで、夜間CPAPを装着して治療することになったのですが、最初は慣れなかったものの慣れてくるに従い眠気は消失、頑固な頭痛も改善されました。非常に快調になりました。 ところがこのCPAP、近視に対する眼鏡のようなもので、根本的に無呼吸症候群を改善させるわけではありません。就寝時、CPAPを装着して眠ると無呼吸は無くなりますが、装着しないと無呼吸は起こってしまいます。そのため、それ以降20年以上に渡って外国に行く時もCPAPを持ち歩き、毎晩装着するようにしています。装着して眠った時と、しないで眠った時の翌日の体調が全然違うからです。 そんなある日、ふと額を触った時に2箇所窪みがあることに気づきました。何と!雨の日も風の日も20年以上、CPAPのマスクを装着してきたため、接触する額部分に窪みができたのです。因みに体への影響はありませんし、触らないと気づきません。私だけが知っている自分の体の秘密です。 ***************************** ドクター畑地の診察室145.2022.6.19号 毎週日曜日お昼に配信します。 次号は2022.6.26.です。 お問合せ、感想などはコチラまで zm.magumagu@gmail.com 畑地 治 https://zipangu-management.co.jp/culture_000/hataji/ 三重県出身 自治医科大学卒業後、僻地診療、三重大学勤務を経て、呼吸器内科医師となる 松阪市民病院院長 https ://mie-matsu-kokyuki.mars.bindcloud.jp/ https://www.facebook.com/mch.respiratory.center/ 診療の傍らFM三重で「肺、おさむに聴け!radioを聴いてらんらんらん(lung lung lung)」という毎週月曜日放送の番組を担当 ***************************** ★お知らせ★ 好評発売中『ドクター畑地の診察室』バックナンバー 1ヶ月分を220円で購入できます。気になった号がある方はぜひチェックしてみてください。 ◆2022年05月 https://www.mag2.com/archives/0001688238/2022/05 2022/05/29 ボスの忘れ物 2022/05/22 日本の薬

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