メルマガ読むならアプリが便利
アプリで開く

170回 マスコミの忖度とダブルスタンダード

和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」
原発賠償判決で国の責任を最高裁が否定した。 この手の訴訟で、いつも国寄りの判決を出すことが問題にされるが、選挙の時に国民審査があるのに、どんな判決を出しても×をつける国民が1割いることがまずないのだから、御用判決を出し続けるのは当然だ。 国民がアホだと三権分立は成立しない。 この国は、民主主義国家でなく共産党の代わりに、自公が支配する独裁国家だということを理解したほうがいいし、いまだに世襲制の封建国家だということを理解したほうがいい。 今回話題になっているヨシカワとかいう衆議院議員もそれほど大学受験で苦労したとは思えない学歴の、国会議員の世襲ではないにせよ県会議員の息子だ。 一生懸命勉強した人間より親の地位で国会議員が決まるのだから中国以下だ。こんな奴らにヘコヘコしないといけないから官僚でできのいい人間は3年でやめるらしい。木村盛世さんの話では厚労省に東大法学部卒の若手はいないそうだが、これからの超高齢社会をそれで乗り切れるとは思わない。ただ、そういう役人でもなぜか大学教授になれてしまうさらに不思議な国だ。国立大学がなく、国立大学法人しかないのだからそれは当然だ。補助金目当ての大学と天下り先確保の役人という構図が続く限り大学改革は進むはずがない。 ただ、私はこの判決は、弁護士の無知もあるが、憲法より日米安保が優先するという砂川判決以来の、アメリカ忖度判決だと私は見ている。 この事故の本質は津波の予見性の問題もさることながら、アメリカの出来損ないの原発を政府が押し付けられ、東電が買い、うすうすできそこないとわかっていながら東電が取り替えなかったことである。 原発そのものが危ないかどうかははるかに津波も高く、震源に近い女川原発が無傷などころか、地域住民の避難所になっていたことから明らかである。 ダメだったのはアメリカに押し付けられた原発だった福島第一だった。 アメリカで原発のデファクトを決める時、GEとウエッチングハウスが争い、安全性で劣るGEが負けた。 余った原発をどこに売るかという話になり、アメリカのいうことなら何でも聞く日本に白羽の矢が立った。 すでに安全な原発を稼働させている関電は断ったが東電が受けた。 うすうす危ない原発だとわかっていながら、第二はつくっても第一の原子炉を変えなかった東電の責任は重い。

この続きを見るには

この記事は約 NaN 分で読めます( NaN 文字 / 画像 NaN 枚)
これはバックナンバーです
  • シェアする
まぐまぐリーダーアプリ ダウンロードはこちら
  • 和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」
  • 世の中のいろいろなことにたった一つしかないと考え、それを信じ込むことは、前頭葉の老化を進め、脳に悪い。 また、それが行き詰った時に鬱になるというメンタルヘルスにも問題を生じる。 ところが日本では、テレビでもラジオでも、○○はいい、××は悪いと正解を求め、一方向性のオンパレードである。 そこで、私は、世間の人の言わない、別の考え方を提示して、考えるヒントを少しでも増やし、脳の老化予防、メンタルヘルス、頭の柔軟性を少しでもましになるように、テレビやラジオで言えない暴論も含めて、私の考える正解、私の本音を提供し続けていきたいと思う。 質問、相談、書いてほしいテーマ等、随時受付。
  • 880円 / 月(税込)
  • 毎週 土曜日(年末年始を除く)