【進路】
「ピーッ、ピーッ、ピーーーーーッ」
「ウォーーーーーーー」
試合終了のホイッスルと共に、歓声が響いた。
「やったーーーーー」
チームも喜びと共にセンターラインに集まる。
優勝!
一、二年生編成の新チームでの初の大会で優勝である。
(すげー)
みつおは感動していた。
中学までは、3年間試合に出ることすら叶わなかったみつおが、高校では一年からスタメン入りをし、しかも初の大会で優勝したのである。
涙こそは出なかったが、その呆然とした顔には、他の人が喜んでいる以上に感きわまる心の鼓動を感じていたのだった。
ハーフラインで待機していたみつおは、味方がボールを奪うと同時にスタートしていた。
左のバックは、みつおシフトに備えて、キック力のある一年生が入っていた。
彼もみつおと同様、サッカーは高校に入ってから始めたばかりの素人だったのだが、キック力だけはあったので、監督が後半からメンバーチェンジしていたのだ。
彼とはクラスも同じで信頼関係があった。
相手からボールを奪うと迷わずに、相手ゴールの右コーナーに思いっきり蹴飛ばしたのである。
相手チームのバックはみつおを警戒していたが、それでもみつおには追いつかなかった。
ここは仲間を信頼するしかない。
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)