米国の利上げに翻弄
前政権は北朝鮮重視
地獄の釜が口開ける
進歩派は最大のガン
韓国の危機は、文政権5年間にその種が蒔かれた。労働生産性を引き上げないで、分配だけ増やすという人気取り政策を行なったことによる。韓国社会は、もともと「働き者」が頑張る社会であった。海外でも、この勤勉精神を発揮して成功した例が多い。文政権5年間は、この「美風」を奪い、働かないで得をするシステムをつくり上げた。怠惰な社会へカーブを切ったのである。大企業労組の言分を、100%聞き入れた結果である。
最低賃金の大幅引き上げは、その最たる例である。文政権によって通算42%も引上げられたが、一方では解雇者を増やすという事態も生み出した。また、過去5年間の未払い賃金が、7兆ウォン(約7300億円)にも達したのだ。同期間の日本の未払い賃金に比べると14倍も多いとされている。低所得労働者を救うとして推し進められた政策が、こういう未払い賃金問題を引き起こしたのである。最賃大幅引き上げを享受できたのは、大手企業労組だけである。
これは、文政権が自らの支持基盤の大手労組の意向のみにそって最低賃金引き上げを行なった結果である。韓国では、大手企業の労働者は高所得層に数えられている。それは、決して非難されるべきことでないが、その影で未払い賃金労働者を増やしている現実と、余りにもアンバランスである。これが、韓国の大衆を苦境に追い込み、韓国経済の潜在成長力を奪っていることに気付くべきであろう。韓国の近未来に、大きな危機が待ち構えているのだ。
米国の利上げに翻弄
韓国が現在、直面している経済問題は、米国の急ピッチな利上げである。FRB(米連邦準備制度理事会)は6月15日、基準金利を0.75ポイント引上げると発表した。これで、新金利は1.50~1.75%になる。韓国の政策金利は、1.75%である。米国の上限金利と並んだことで、韓国からの資金流出とこれに伴うウォン安で、韓国の消費者物価をさらに押し上げるリスクが高まっている。
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