第155回 天才たちは学校が嫌いだった(トマス・G・ウェスト 講談社)(2022年5月21日~)
読み終わっていくつかの疑問が氷解しました。
天才とは天性の才能であり,生まれつき優れた才能が備わった人物を指しますが,そんな人は存在しません。
原題の「In the Mind’s Eye」(心の眼で見る人たち)の方がずっとふさわしいです。
彼らに共通していることは「子どもの心を持ち続けている」こと。
以下は私の感想,分析です。
2006年「情熱大陸」から出演依頼が来て,番組を見始めました。
最初のうちはただただ不思議でした。
「なんでオレがここに呼ばれたんだろう?」
でも,見続けているうちに彼らと自分の共通点を見つけました。
みんな,子どもの心を持っているんです。
「なるほど!そこか!」
子どもは経験値が低いので,予測不能の世界で生きています。
精神的,肉体的にあちこちでぶつかり,転び,毎日のようにケガをします。
それでも本能に衝き動かされ,じっとしてなんていられません。
経験値が上がるにしたがって,予測可能な範囲が広がり,ケガをする回数が減ります。
成人になり,ちゃんとした会社に入り,真面目に働き続けると予測可能な世界だけで生活できるようになります。
「安定と保証」と呼ばれるものです。
どんな問題も経験と照合すれば簡単に解決します。
予測不能なことには手を出さなくなり,子どもの心は消失し,成長は止まります。
収入は保証されますが,わくわく,どきどき,はらはらとは縁のない生活になります。
アインシュタインの言葉が取り上げられていました。
「どうして私は相対性理論を作る人物になったのだろう?大人なら時間と空間について考えこんだりしない。それは子どもが考える問題なのだ。」
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