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今市太郎の戦略的FX投資
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2022年6月22日号
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主要国中銀の一角を占める日銀がヘッジファンドに負けるなんてあるのか?という読者のご質問にお答えします
~ずばり今回は十分にありうる状況です。
ここのところこのメルマガで日銀の失策をあげては
ヘッジファンドの売り浴びせ攻勢に負ける日が近い
という内容をかなり多くお送りしていますが、一部
の読者の方からは主要国中銀の一角を占める日銀が
そんなに簡単にヘッジファンドに負けることがあるの
かという疑問の声もいただきます。しかし私は躊躇
なくお答えするようにしています、日銀がヘッジ
ファンドに負けることは十分にありうると・・
今回はその理由をご説明したいと思います。
■円安は日本にとって有利という日銀判断に猛烈に挑戦的になる投機筋
ドル円の動きは二国間の政策金利差のみならず購買力
平価が大きく影響していることは事実です。
ただ足もとの世界的なインフレ状況下で日本だけが
デフレ続行で関係ないというのは流石に穿った見方
で実際輸入物価は確実に上昇し食料を中心とした
最寄り品の価格も値上げが相次いでいます。さらに
ガスや電気といったインフラの価格は円安のおかげで
予想以上の上昇となっており、政府自民党政権の要人
が語るように円安がメリットになるという話はかなり
実態を乖離し始めているのが実情です。
投機筋は日本政府、財務省、日銀がどこまで円安に
耐えられるのか、3月から投機筋は大挙してこれを
試しにきており、ここ10~15年位のドル円相場では
見たこともない状況に陥っており、すでにテクニカル
的には予想できない領域に入り込んでいます。
投機筋が買い上げていますからどこかでリカクがでれ
ば、いとも簡単に3円や4円は調整するのが最近の
状況ですが、本来8~9週間で一旦トレンドが修了する
のが常のドル円相場は6月後半からさらに新しい
上昇相場を迎えているように見えます。
市場では一旦いいところまで上昇したという見方も強く
なりつつありますが、恐らく投機筋はこれでおなか一杯
とはならず時間軸的にどこまで上昇期間を維持できるか
は結構大きな問題ですが、140円を超え始めれば年末
に向けてさらに高いところを目指すリスクは相当高まる
ことになるのではないでしょうか。仮に財務省が米国の
意向を無視してでも単独為替介入をしたとしても完全に
ドル円を下落させられる可能性はかなり低そうで、そもそも
緩和を行っている最中に為替介入をするというのはロジック
的にどこの国からも支持されないものがあります。
■日本国債売りを仕掛ける投機筋はもっと複雑な存在
今回の投機筋の日銀攻めは為替とともに日本国債の
激しい売り攻めも並行しています。国債のイールド
カーブコントロールについては黒田総裁も異例の自信を
覗かせていますが、すでに先週一週間で0.25%以下に
抑えるために長期債も含めて11兆円も買い向かっている
わけですから、毎週この調子で買いオペを行えば1年後
にはすべての既発債を日銀が買い取ることになりますが
市場の性格上そんなことが実現するわけはありません。
そもそも6月525兆円日銀が保有していた日本国債の
含み益は完全に消滅しここからの買入れはさらに大きな
含み損を抱えることになり、実質債務超過は国際社会
の日銀の信認性を著しく欠くものとなるのは間違い
ない状況です。8年前までどこの中銀も行えなかった
イールドカーブコントロールというオペレーションが
破綻をきたすのは時間の問題で、投機筋は完全にそれを
狙っている状況です。資金的には日銀は自国の債券買い
は紙幣を印刷しまくれば無限に買うことができますが
昨今のヘッジファンドの資金も市場合計すれば400兆
円にのぼっており、これにレバレッジでもかけようもの
なら市場に出回る債券500兆円弱を考えると相当
対抗しうる存在であることがわかります。
円安の進行で日銀がどこかのタイミングでYCCを諦め
た途端にJGBの金利は大幅上昇、価格も下落で投機筋
は徐に買い戻しをかけドル円もリカクすれば莫大な利益
を得ることができるわけで、日銀が降参するまで延々
と続く可能性が高まります。
ウォール街でもこの対決に関してはかなり重大な関心を
もってみられていますから途中から投機筋に加担する
向きもでてきそうで、日銀は決して多勢に無勢といった
状況には置かれていることが見えてきます。
我々は歴史的なJGB市場のクラッシュを目の当たりにする
ことになるのかも知れません。
為替の取引きでいえばドル円は買って円安が進めば
利益がでて万々歳ではありますが、JGB市場が直面して
いるのはもっと深刻な状況で国内金融市場が壊滅的に
破壊されることも意識しておくべき状況ではないで
しょうか。
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