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ロシアの幻想いつまで? 迫りくる経済危機察しない「技術後進国」

勝又壽良の経済時評
  • 2022/06/23
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ロシア陣営で「新G8」 今来年でGDP大幅減 これから10年雌伏期 同盟の価値を再認識へ ロシアのプーチン大統領は6月17日、「サンクトペテルブルク国際経済フォーラム」で欧米諸国を痛烈に批判する演説を行い、「一極世界の時代」の終わりを宣言した。西側諸国による経済制裁にも関わらず、原油価格の高騰によって貿易黒字はむしろ増加。プーチン氏が意気軒昂である裏には、こういう事情がある。 一方、西側諸国は自ら科した経済制裁によって原油価格が高騰して、消費者物価が危険ラインを突破している。ロシア外務省広報官が、「西側は自分で自分の足を撃っている」と嘲笑しているほど。プーチン氏が、「一極世界の時代」の終わりと言いたい理由はここにある。 プーチン氏は、すでに戦勝気分である。自身について、公然と皇帝ピョートル1世になぞらえているのだ。ピョートル1世は17世紀末~18世紀のロシア皇帝で、ロシア近代化のほかに大国化を推進した。大北方戦争でスウェーデンと長年にわたり領土戦争を繰り広げた皇帝である。プーチン氏は、皇帝ピョートル1世の「再来」として振る舞うつもりだ。 こういう歴史錯誤は、なぜ起こっているのか。 ロシアは、ビザンティン帝国から正教を受容したので、ローマ・カトリック世界とは異なる道を歩むことになった。欧州のような、近代ヨーロッパ文化を誕生させたルネサンスも宗教改革も経験しなかったのだ。この歴史が、ピョートル1世を生み領土拡大が「善」とする国家観を生み出し、プーチン氏にまで引継がれている背景であろう。

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  • 勝又壽良の経済時評
  • 経済記者30年と大学教授17年の経験を生かして、内外の経済問題について取り上げる。2010年からブログを毎日、書き続けてきた。この間、著書も数冊出版している。今後も、この姿勢を続ける。
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