2022.06.24更新分
■ 急拡大する!車載向けパワー半導体に大注目
世界的な脱炭素社会への取り組みを背景に今後大きく需要を伸ばすことが予想されているのがパワー半導体。その最大の特徴は、何より省エネ性能が高いことである。もともと産業機械向けなどで高水準の需要があるが、電装化が進展する自動車向けでマーケットは年々広がりをみせており、特に今後は世界的な電気自動車(EV)シフトの流れを背景に市場規模が加速度的に拡大する公算が大きい。
パワー半導体を組み込んだ車載向け部品の世界市場は、30年に1.3兆円と21年比で約4倍に膨れ上がると見られている。なかでも、従来のシリコン製に比べてより高機能な炭化ケイ素(SiC)を素材として用いたパワー半導体の伸びが高まると見られる。
その主な長所とは、高電圧に耐えられて従来のシリコン製に比べて電力損失が半分以下で済むこと。結果、変換効率が90%のインバーターでシリコン製からSiC製のパワー半導体に置き換えた場合、変換効率は95%に高まり、EVだと航続距離が5~10%伸びるという。
そんななか、26年3月期までに従来計画の3倍に当たる最大1700億円をパワー半導体の増産投資に充てるとしているのがローム。同社は、今月8日に福岡県筑後市でSiCパワー半導体専用の製造新棟の開所式を開いており、この新棟の開所を起点に「25年度に世界シェア首位を目指す」ことを目標に掲げる。
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