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vol.130:中国のメタバース状況。教育、トレーニングの分野で産業化。スタートアップ企業も続々登場

知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
  • 2022/06/27
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 130 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。 今回は、中国のメタバース状況についてご紹介します。 元フェイスブックのメタが、メタバースプラットフォーム「ホライゾン」を発表し、世界中でメタバースが話題になりました。これにより、VRゴーグル「メタクエスト」(旧オキュラスクエスト)の販売台数も大きく伸びました。 中国でもメタバースは大きな話題になっていて、連日、「元宇宙」(メタバース)という言葉が入った記事が報道されています。 しかし、中国では「メタバース=VR」とは考えられていません。現在のウェブがテキストと写真のオンライン化だとすれば、メタバースは3Dモデルのオンライン化だと考えられているようです。そのため、メタバースという言葉が示す範囲が広くなっています。 例えば、百度はメタのメタバースプラットフォーム「ホライズン」とそっくりの「シーラン」を公開していますが、シーランへのアクセスはVRゴーグルからが基本ですが、アプリやPC用ソフトウェアも公開されていて、2Dでもアクセスができます。 オンライン会議をするときに、全員がVRゴーグルをつけなくても、列車で移動中の人はスマホから2Dで参加ができるのです。 メタバース関連企業も、メタバースを最大目標にしているのではなく、ゲームだとか体験、バーチャルキャラクターを主軸に置き、メタバースと関われる領域での開発もしているというところが多くなっています。 つまり、メタバースがこけたら、みなこけるという状況ではなく、メタバースがこけても、メタバース関連の開発プロジェクトを中止する程度で済む関わり方をしているように思います。この辺りの距離感の取り方も中国のメタバースの特徴のように思います。 今回は、百度のメタバースプラットフォームについてご紹介し、メディアによく登場するメタバース関連の企業をご紹介します。 知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 130 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼目次▼ 中国のメタバース状況。教育、トレーニングの分野で産業化。スタートアップ企業も続々登場 小米物語その49 アリババ物語その49 今週の「中華IT最新事情」 Q&Aコーナー ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 中国のメタバース状況。教育、トレーニングの分野で産業化。 スタートアップ企業も続々登場 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今回は、中国のメタバース状況についてご紹介します。 一時は、世界を席巻した話題となったメタバースですが、元フェイスブックのメタが株価を大幅に下げたのと同時にすっかり過去の話題になってしまった観があります。メタバースが失敗したために、メタの株価が下がったと誤解されているようなところがあります。あるいはすぐにNFTアートの話題が登場したために、そういう人たちの中ではもう「メタバースは古い」ということになっているのかもしれません。実際、メタのホライズンにアクセスしても、何だか閑散としています。 しかし、メタが株価を下げたのは、本業の広告ビジネスが危うくなっているからです。特にメタは過去に何度もプライバシー情報の不適切な取り扱いを指摘され、利用者からの信頼を失いかけています。そこにアップルが、トラッキング広告(追跡広告)を不可能にする仕組みをiPhoneなどに導入するなどして、デジタル広告は苦しい立場に追い込まれています。メタバースそのものはこれからなので、メタの株価だけで決めつけるのは早計です。 実際、このメタバースの話題が登場したことで、VRヘッドセット「Meta Quest 2」が好調に売れ、1500万台に迫る勢いです。 メタバースは必ずしもVR(Virtual Reality、仮想現実)とイコールではないのですが、VRデバイスが一定程度普及をしたということは悪いことではありません。 しかし、明らかにコンテンツ不足です。VRデバイスに対するネットでの評価は「最初はすごく感動するけど、3日で飽きて、1週間で使わなくなる」という意見が多く、私も同じような感想を抱きました。 教育系のコンテンツには面白いものがいくつもありました。例えば、ISS(国際宇宙ステーション)の中を歩き回れるものだとか、昆虫が象ほどの大きさに拡大され、蜘蛛が餌を捕食するところをつぶさに観察できるなどというのは、今までにない映像体験で、可能性を感じます。 しかし、ゲームを中心としたエンターテイメントになると、「Beat Saber」(飛んでくるブロックをライトセーバーで切るリズムゲーム)以外にはこれといったものがない状態です。 https://store.steampowered.com/app/620980/Beat_Saber/?l=japanese

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