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日刊 大石英司の代替空港

日刊 大石英司の代替空港
日刊 大石英司の代替空港 ▲▽小田嶋隆 追悼▽▲  ネットのメインステージがSNSに移行したせいで、半年後、あるいは数年後、 小田嶋隆とはどういう人だったのだろう? と関心を持った人間がググった時に、 私なんかのブログが上位に出て来てしまうことをまずお詫びします。 ※ 小田嶋隆さん、お疲れ様でした。そしてありがとう。 https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00116/00162/ *「炎上恐れず、地雷を踏みに」 小田嶋隆さんの発言振り返る https://mainichi.jp/articles/20220624/k00/00m/040/161000c *コラムニストの小田嶋隆さんが死去 反権力の立場から鋭い社会批評 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/307289 *偉愚庵亭憮録 http://takoashi.air-nifty.com/  この歳になると、会おうと思えば会えたのに、その機会がないまま終わってし まったお付き合いというのがあります。小田嶋さんもそんなお一人です。昔、 メールのやりとりをしただけで結局お会いすることはなかった。  ここしばらく忙しくて、歩く暇が全く無くて、昨日久しぶりに歩きに出ました。 昨日は、風の強い一日でした。雲は多かったけれど、風のせいか青空が綺麗でし たね。ああこの青空の何処かで、小田嶋隆が生まれ育ち、暮らしている街があっ たんだな……、と思いながら歩いた。  私の時代が生んだ、最高のコラムニストでした。彼の才能と競える固有名詞を 上げるとしたら、40歳を前に夭折したナンシー関一人しかいない。噂の真相に書 いていたことからも、二人は良いライバルだった。ナンシー関が長生きしていた ら、小田嶋さんはもっと面白いものを書き続けただろうにと思うと残念です。  彼の本当の姿、最も尖っていた時期を知るのは、50歳代後半以降です。学生運 動が潰えた後の、ノンポリ早稲田の嚆矢でした。村上春樹をそのノンポリ早稲田 の高級フレンチとするなら、小田嶋隆は大衆食堂。お品書きはA定食とB定食し かない。文句ある奴は帰れ! そのシニシズムを理解できる奴だけに飯を食わせ てやる。そんな感じのコラムを書くお人でした。  そのエッセンスと技法以外で感心したのは、彼は自分が書いた文章の文法解説 がちゃんと出来るお人でした。実は意外にこれは難しいことで、物書きに自分の 文章を解体して構文解釈しろと言われてもたいていは無理、お手上げです。その 辺りはさすが早稲田だった。 「反権力の立場から鋭い社会批評」とか言われると、私のような古いファンは、 勘弁してくれ……、と言うしか無い。  彼が Twitter を始めた時には、なんてことを! と思いました。何が起こる か解っていたから。政治的ポジションを右左、旗幟鮮明にすることを求められる Twitter で、案の定、論壇左翼に絡め取られてしまった。  報ステに出るようになってから私はいつも心の中で「ララァは戦いをする人で はなかった!」と叫び続けていた。  ただ、ネットの酸いも甘いも知り尽くしている小田嶋さんが Twitter を始め

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  • 作家・大石英司が日々の出来事に関して alternative な視点を提供するマガジンです。政治経済軍事からヲタ他の柔らかい話題まで扱っています。 原則として、毎日発行です(今は月2回、日曜のお休みを貰っています)。契約上は、土日祝日及び、日本の労働習慣に照らして妥当と思われる日数の定休日を頂戴することを明言しております。 システム上、「不定期発行」となっていますが、設定を「不定期発行」にしないと、土日のお休みや、発行者の病気等によって、突然休んだ場合に、システムが事故発生中と判断して、最悪の場合、発行できなくなる恐れがあるからです。
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