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野村総研が提案したと巷で噂の若年層への日銀保有ETFの無償配布~岸田首相こんなことほんとにするんですか?

今市的視点 IMAICHI POV
  • 2022/06/26
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*******************************************************   今市的視点 IMAICHI POINT OF VIEW   金融、経済、政治、企業といった領域でのニュースや   トピックスをテーマに独自の視点で鋭く切り込みます   ツイートアカウント @imaichitaro   よろしかったらフォローもお願いします。      6月26日号 ********************************************************** 野村総研が提案したと巷で噂の若年層への日銀保有ETFの無償配布 ~岸田首相こんなことほんとにするんですか? 市場では日銀ががんとして譲らないイールドカーブ コントロール死守のお陰で毎週10兆円以上の日本国債の 買付が延々と進んでおり、実質的な日銀による円安介入 継続の様相を呈していますが、国内の複数の金融市場 関係者の口から野村総研がその日銀が人工値付け相場で 大量に保有しすでに52兆円を超える時価総額になって いるETFを細かく切り分けて国内の若年層に無償配布 してみてはどうかという提案を行っていることが判り ました。日銀保有ETFの日経平均での損益分岐点は2万 1000円程度と言うことですから国民に配布しても 含み損にはならないと思われますが、8年にもおよぶ 人工値付け相場の実施で無理やり吊り上げた株価の 原資となているETFを国民に配布して売却処理を 免れるというのは一見分配の強化や給付金的な意味 合いを感じさせられるものの、これが資本主義経済 の下で本当に行われるのかということを考えますと かなり愕然とするものがあります。市場では野村 総研の提案に尾ひれはひれがついて国民全体に配布 するのではないか、ついでに買入れた国債も配ったら といった無責任な予測も飛び交い始めていますが、 岸田政権は本当にこうしたことを実施するつもりが あるのでしょうか。まあどうせまたお決まりの検討中 で逃げることになるのでしょうが、本当にこんなことを 実施することになるのかどうかが非常に注目される 状況になってきています。 ■野村総研が提案したのは若年層への投資教育を日銀保有EFFの無償配布 日銀が株式市場に介入してETFを買い始めた時点から買入れた ETFはどのように処理するのかということが注目されてきま した。どこかで宗旨替えして少しずつ売却するとしても1日 30億円程度の売却でも70年以上時間がかかることになり ますし、そもそも日銀が保有ETFを売却と言った途端に相場 は大きく値下がりしこれまで無理やり下駄を履かせた日経 平均の価格はいとも簡単い5000円以上下落してほぼ含み損 状態になるのは間違いなさそうで、市場関係者の間ではどこ かのタイミングで90年代に銀行の不良債権処理に使われた 別の管理法人を設立し保有ETFを移管してそれこそ超長期に 日銀に代わって処理していくのではないかという見方が 非常に有力な出口戦略であるとされてきました。 しかし今回の野村総研の提案のように若年層に限るのか国民 全体を対象とするのかは知りませんが、35兆円分を分配に まわし、先行き10以上、いや定年くるまで売却禁止の条件 つきで配布すれば確かに余計な資産管理会社を設立して 負債解消などを行うよりも実に簡単に国民に含み損がでれば その負債を一気に押し付けることができるので日銀にとって は予想以上に願ったりかなったりの政策になるかもしれません。 ■しかしこれは新しい資本主義ではなく古い旧ソ連型社会主義への回帰 この話、まだ岸田政権が乗り気でGOを賭けているということ ではありませんからあまり先回りして批判するのもいかがな ものかとは思いますが、この手の新手の分配を行えば実態 がよくわからない国民はぬか喜びするのでしょうが、中央 銀行が日本株のETFを直接買い入れるというだけでも他の 中銀にはない相当不健全なものなのに、処理に巨摩って国民 に長期保有期間縛りで配布するというのは果たして正しい 資本主義なのかという問題がいずれ噴出することになるの ではないでしょうか。同じスキームは買入れ過多になって いる日本国債の始末にも同様に利用できそうな気がします が、現金の配布に比べればはるかに経済効果は低く、今後 資本主義の看板を降ろして旧ソビエト型の計画経済でも 目指すのならいざしらず、一段と新しい資本主義から 遠ざかる政策になりそうで、果たして岸田政権がどう 判断するのかが注目されるところとなってきています。 正直なところ私の頭の中では消化しきれない事態に 進みつつあることが非常に危惧される状況です。

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