【自衛隊ー教育隊の巻】
「イッチ、イッチ、イッチニー」
「ソーレッ」
「イッチ、イッチ、イッチニー」
「ソーレッ」
「ぜんたーい、とまれ!」
「右向け〜右」
「右へ〜習え」
「解散」
そこは山口県にある、教育隊だ。
みつおは、結局、航空自衛隊に入隊していた。
噂では、自衛隊の訓練はかなり厳しいと聞いていたが、高校のサッカー部の時の夏の合宿に比べたら、それほどでもなかった。
自衛隊になど全く興味がなかったみつおだったが、地連の人(自衛隊のスカウトマン)に言われた一言で、入隊を決めたのだった。
「大学は四年間通わないといけないですよね、お金もかかるし、その点航空自衛隊は3年で任期満了ですよ。しかもこの間に航空機整備士の免許をとれば、航空会社にも簡単に入れますよ。
給料を貰いながら資格を取って辞めればいいんじゃないですか?」
みつおはそれを聞いて、なるほどと思ったのである。
一度は無謀に受けて、棒にも箸にも引っかからなかった航空会社に、給料を貰いながら資格を取って、確実に就職できるかもしれない。
しかし、現実はそんなに甘くなかった。
誰もが航空機整備の職種につけるわけではなかったのである。
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