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今市太郎の戦略的FX投資
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2022年6月29日号
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欧米勢が仕掛けたロシアの強制デフォルトでドルの基軸通貨の座からの陥落は加速か
ロシア政府は猛然と反論していますが、とうとう西側
諸国の結束でロシアの外貨準備が完全拘束されて利用
できないことからロシアの外貨建て国債が強制的に
デフォルトに陥る事態となりました。すでに格付け大手
のムーディーズはバイデン政権に忖度するように、5月
27日に支払期日を迎えた外貨建てロシア国債について、
デフォルトに当たることを正式に表明しています。
ただこうしたやり方がここからの相場に想像以上の影響
を及ぼすことになる点は非常に危惧される状況です。
もちろんロシアのウクライナへの侵攻は一切許されるべき
ものではありませんが、米国とその同盟国に逆らえば
外貨準備がいとも簡単に凍結され即座にデフォルトに追い
込まれるということを反米国に周知徹底させてしまった
ことは大変大きな問題になりつつあります。
ここからは今後米債を外貨準備として購入する国は
猛烈に減少しそうで、それに伴って当然の事ながら米
ドルが基軸通貨としてエネルギー、商品市場で徴用
される可能性が大きく減りそうな状況になってきました。
世界的に見ますと我々はすぐに金融決済の中心は米国
とドルにあると思い勝ちですが、反米を唱える国は
じつに世界の7割にも達するとされていますので、
基軸通貨が崩れ始めるとドルの座は驚くほど転げ
落ちることになりかねず、米国の金融当局はこれを
正確に理解しているのか甚だ疑問が生じる状況です。
■中国人民元が基軸通貨になる可能性は極めて高い
こうした状況を背景にしているのでしょうが、各国の
政府や中央銀行が中国・人民元を外貨準備に購入する
ケースが非常に増えており、世界の外貨準備のうち
人民元は2021年末時点で3361億ドルと5年で
ほぼ3.7倍にまで拡大していることが確認されています。
メキシコ、ペルー、チリ、ブラジルなどがその中心
ですが、今後ロシアのエネルギー取引を巡ってルーブル
や人民元建ての売買が中心になれば中東諸国やイスラム
圏などでも強烈にドル離れが加速する可能性が高く
なりそうで、バイデンはロシアをまんまと封じ込めた
つもりでしょうが、市場には全く別の動きが示現しそう
な雰囲気になってきました。
■足もとは円売りだかやがてドル売りも加速しそう
現状では中央銀行の政策差が明確にでていることや
日銀が延々と緩和をやめず低金利に抑えるための
無制限指値オペを継続していることから完全に債券
を利用した円安介入を行っているわけですから、
これをどこかで政策変更しないかぎりドル円は140
円超、150円に接近といった場面も見られることに
なりそうですが、その一方でドル売りがいきなり示現
してくるリスクも十分に意識しなくてはならないところ
に向っているようです。原油取引の領域ではすでに
米ドルが基軸通貨としては役割を果たさなくなりつつ
あり、これがそのほかの商品市場などに広がれば
とにかくドル買いという相場の動きが一変することも
想定しておかなくてはなりません。ロシアの強制
デフォルトひとつとってみても相場への影響がかなり
大きくなる点はあらかじめ覚悟しておくべき状況です。
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