ヒント:現時点では●●に軍配が上がりますが、●●にも逆転のポテンシャルは十分にあります。
この記事は沼幹太さん(企画・リサーチ担当)とmasmさん(ライティング担当)との共同制作です。
今回は、競争が激化している国内の電子契約市場について解説していきます。
電子契約は、契約業務の効率化やコスト削減、書類保管スペースの削減、クラウド上で契約書を一元管理することでセキュリティが強化できるなどの利用メリットがあります。
国内の電子契約事業は、弁護士ドットコム株式会社の「クラウドサイン」と、GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社(以下GMOグローバルサインHD)の「GMOサイン」の2大事業者が激しく競い合っている状況です。
クラウドサインは、2018年9月末時点で累計登録社数が国内シェア80%を超えるとの発表もあり、急速にシェアを拡大してきました。
一方、後発のGMOサイン(2018年当時は「GMO電子印鑑Agree」で、2021年2月12日に現在の名称に変更)も急成長をみせ、クラウドサインを猛追しています。
2020年12月末時点では、GMOサインがクラウドサインの導入企業数を超え、以降クラウドサインは導入企業数を非公開にしていました。
しかし、今回5四半期ぶりにクラウドサインの導入企業数が公開されたため、両企業のKPIの現在地と戦略について比較しながら、国内電子契約市場の動向について分析していきます。
弁護士ドットコム2022年3月期決算説明会資料
GMOグローバルサインHD2022年第1四半期決算説明資料
クラウドサインの概要と業績
まず、クラウドサインの概要と業績について見ていきます。
クラウドサインは、法律相談ポータルサイト「弁護士ドットコム」などの事業を展開する、弁護士ドットコム株式会社が運営するクラウド型電子契約サービスで、「これからの100年、新しい契約のかたち。」というコンセプトの元、2015年10月にサービスがリリースされました。
クラウドサインの業績を見てると、直近のFY22Q4(2022年度第4四半期)の売上は8.8億円、YoY(前年同期比)+68.2%と急成長しており、FY22Q1には祖業である弁護士ドットコムの売上を超え、最大のセグメントになっています。
またFY22の通期でクラウドサインは黒字化しており、売上の柱とともに利益の柱となることが期待されています。
またSaaSの成長の健全性を示す指標である40%ルール(売上成長率 + 営業利益率 ≧ 40%)に照らし合わせても、YoY売上成長率+68.2%、加えてIT・ソリューション事業のFY22Q4の売上は9.6億円、セグメント利益は2.2億円、利益率は23%であるため、68%+23%=91%と大幅に40%を超えており、SaaSのお手本のようなビジネスとなっています。
GMOサインの概要と業績
次に、GMOサインの概要と業績を見ていきましょう。
GMOサインは、GMOグローバルサインHDが運営する「電子認証・印鑑事業」、「クラウドインフラ事業」、「DX事業」の3事業の内、「電子認証・印鑑事業」に該当するサービスです。
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