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今市太郎の戦略的FX投資
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2022年6月30日号
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やはり問題になりはじめた日銀の国債爆買い債務超過問題
早晩市場で問題になるであろうと思われた日銀保有国債の
含み損の拡大が本格的に市場で大きく取り上げられ始めて
います。
日経新聞の報道によれば同社が野村証券、みずほ証券、三菱
UFJモルガン・スタンレー証券の3社に日銀の国債の含み益
の状況について試算を依頼したところ、金利上昇圧力が
高まった6月の決定会合前の15日に、野村証券は日銀が
2000億円の含み損に、三菱UFJモルガン・スタンレーは
日銀が6000億円の含み損に陥ったと試算していることが
判りました。これは元日経新聞編集委員の前田昌孝の独自
試算とも符合するもので額のブレはあるものの6月15日
段階でとうとう日銀が保有する日本国債の含み益が消滅し
含み損に転落したのは間違いない状況のようです。
みずほ証券だけは若干楽観的な試算で15日時点でも1兆
3000億円の含み益が残ったものの今年3月末から3分の1
以下に落ち込む計算になるとしています。同社は金利全体が
上昇して10年債の利回りが0.65%に達した場合、国債の
含み損が日銀の3月末時点の自己資本である10.9兆円を
上回り、実質的な債務超過とみなされるリスクがあるとも
分析しています。
■一時は21兆円あった含み益はすべて消えたことに
日銀が市場から買い付けた日本国債は最高潮時には実に
21兆円の含み益があり余裕の状況を示現させていましたが
今年1月にはすでに8兆円に沈み込み、それがこの6月
15日近辺でほとんど失われていまったようです。
そもそも日銀は日銀は6月時点の含み益の状況を公開して
いませんし、簿価評価でかつ満期まで保有することが
前提となる場合含み損を資本金から差し引くこともなくて
済むため財務には影響しないとするのが日銀の姿勢ですが、
日銀の財務の信認性を判断するのは日銀とその関係者、
財務省に政権に取り入る御用経済学者ではなく、国際市場
ですからひとたび日銀の財務の信認性が著しく揺らいで
いると判断されればここからさらに国債が売込まれること
に加え、円も並行して売られる可能性が極めて高くなり、
さらに状況が悪化することも考えられるところです。
■YCCの死守はもはや全く持続可能性のない政策
そもそも日銀が長期債の金利を自らコントロールできる
などと言う話しは黒田総裁が就任するまでは全くなかった
話で、それが常態的なオペレーションとして語られること
自体相当違和感を持たざるを得ない状況ですが、今回の
保有国債の含み損転落問題は日銀に対する市場の信認性、
信頼性を著しく脅かすことになるのは時間の問題のようで
死んでも緩和を放さない令和の木口小平こと黒田総裁が
ここからどう対応するのかがさらに注目される状況です。
以前のメルマガにも書きましたが参院選後突然辞任など
ということで解決をはかることは十分にありそうで、
このまま黒田日銀が何もしないで来年4月まで走り
続けるというのは相当無理のある状況になってきました。
ドル円はこうした情勢を受けて上にも下にも動く可能性が
あることをしっかり認識しておく必要がありそうです。
岸田首相は外遊する度に新興国にカネを配ることを約束して
すっかり殿様気分のようですが、この国はもはやそんな悠長
なことをしていられないところに陥っていることをしっかり
理解するべき状況です。
7月相場も不穏な状況は続きます。
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