━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 田中優の未来レポート 』
第262号/2022.6.30
http://www.mag2.com/m/0001363131.html
※ 有料メルマガにつき、全文の転送転載はご遠慮ください
一部転載は大歓迎です
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
電気から自立革命を(上)
家計が厳しくなっている。我が家としてはそうでもないが、全体として給与が上がらず、物価と税金・社会保障費などだけは増加し、その分だけ可処分所得が少なくなる。一年前と同じ生活ができない。エアレーションのない金魚鉢の金魚みたいに、息するだけの酸素がないみたいにアップアップしてしまう。
何を節約するかと考えなければならない。これは明らかに政策の失敗なのだが、政策変更に対して関わる手段すらない。大きな企業に対しては税負担は下がっているし、人件費も下がっているが、その結果生産して販売する商品を買えるだけの人が減った。つまるところ景気が上がらずどん底の経済になる。まるでこれは「すりごま景気」だ。人々はこれ以上耐えられないところまで押しつぶされ、わずかに得られたゴマ油もまた吸い上げられる。この10数年ほどの間の景況を見れば、世界で日本だけが所得が下がっていることが確認できる(図1)。
図1 主要国の平均収入推移
その中で、特に人々の暮らしに直結して苦しめているのが光熱水費のような「固定費」の値上がりだ。他の生活費なら「外食を控える」とか「酒代を減らす」とか工夫の余地があるのだが、光熱水費のような固定費はいやでもかかる。契約を切らない限りかかる。払わなければ電気が切られるみたいに、税金よりも過酷に取られるのだ。だから税金を滞納する人はいても、「固定費」を滞納する人は滅多にいない。
その「固定費」が値上がりしているのだ。ちなみに人々が受け取る「賃金」の上昇率と比較してみよう。(図2)の下の図のようになっている。
https://www.navinavi-hoken.com/articles/living-expenses-breakdown
図2 原油高騰と電気料金
「賃金」の方はほとんどプラマイゼロあたりだというのに、電気代・ガス代はそれをはるかに超えて値上がりしている。これは今のウクライナ紛争以前の石油ガス価格の値上がり前からこうなっている。
当然人々の暮らしは苦しくなる。その要因は、見たように第一に為替の影響だ(図2の上の図)。日本の「円」が弱くなって一ドルの価格が130円以上に値上がりしたように、「為替の影響」が大きい。私自身、以前に海外によく出掛けていた頃、円高ドル安だったので、一ドルは80~90円程度だった。だから海外で仲間と買い物してそれぞれにワリカンする時には、「一ドル100円」で計算してよく清算したものだ。ところが今ではほとんど1.5倍、「一ドル150円」がワリカンしなければならないだろう。その感触が今の為替の影響なのだ。
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)