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インフレ対策に加えリセッション対策で後手に回るFRB~まさかの中銀起因による相場大暴落に注意が必要

今市太郎の戦略的FX投資
**************************************  今市太郎の戦略的FX投資  ファンダメンタルズでテーマを見極め  テクニカルで実証してエントリーする  2022年7月6日号  ツイートアカウント @imaichitaro  よろしかったらフォローもお願いします。 ***************************************** インフレ対策に加えリセッション対策で後手に回るFRB~まさかの中銀起因による相場大暴落に注意が必要 5月末、インフレ対策に躍起のバイデン大統領はイエレン 財務長官とFRBパウエル議長を招集し急遽3者会談が 開催されました。当然テーマはインフレ対策で、今や ガソリン価格が下がらない事でバイデンの支持率だけが 下がる始末ですからとにかく財務省とFRBで足もとの インフレを何とか沈静化させるよう号令がかかったのは 会議に同席していなくてもすぐわかる状況でした。 この責任をFRBに押し付ける訳にはいかないと思ったの か、5月31日にCNNでオンエアされたインタビューで イエレンは全ての責任を負うかのように高インフレが持続 的な問題にはならないだろうとの見通しを昨年示したこと について、予測が不正確だったと誤りをあっさり認める ことになりました。 私が知る限り、イエレンは2007年サンフランシスコ地区 連銀の総裁であったときもサブプライムローン問題は とるにたらぬ事と一笑に付すような発言をしましたが、 その後重大な金融危機に発展し相場が大暴落したのは ご存じの通りですが、別に見立てが間違ったと謝罪した ことはありませんし、FRB議長時代も緩和の巻き戻しで 利上げを早期に実施すべきところを株価が下落する度に 及び腰になり利上げは結局後任のパウエルに押付ける形 になりましたが、だれに謝罪をするでもなく退任して いったのは印象的な状況でした。しかし今回自分が責任 を引き受けたのはやはりバイデンから相当強硬な要求を 突きつけられ逃げ場がなくなってしまったからなので しょう。 そして足もとではインフレとともにリセッションが到来 しようとしていますが、この財務省とFRBの要人の面々は 全然懲りずに楽観的な姿勢を継続しています。 ■米財務省もFRBもリセッション到来を強く否定する頑なな姿勢維持 インフレが当初の予想以上に進行している以上、本来ならば リセッションについても慎重に対応を検討すべきものであろう と思われるわけですが、イエレン財務長官は6月9日に米国が リセッションに陥るとは考えにくいを発言したのを皮切りに 6月19日にはクリーブランド地区連銀のメスター総裁がリセッ ションは想定できないと断言しています。さらに6月22日には FRBのパウエル議長が米国はリセッションにはならないとイエ レン発言をなぞるような発言をしていますし、タカ派で知られる セントルイス地区連銀のブラード総裁も6月24日にリセッシ ョンの可能性を議論するのはまだ早いとパウエル発言を追認 するようなことを口にしています。 すなわち現段階では財務省もFRBの要人も一切米国のリセッシ ョンについては心配していないことを表明しているわけですが、 その一方で7月1日に開示されたアトランタ連銀のGDP予測 モデルであるGDPNowはQ2の見込みとしてマイナス2.1%を 予測しており、FRBの中の連銀の分析でもすでにリセッション が到来しようとしていることが見えてきています。 ■米株市場ではリセッション懸念が一気に高まる状況 しかし市場のほうは全くリセッションに対して楽観視はして おらず、悪い経済指標がでるたびにインフレとともにリセッ ション懸念が猛烈な高まりを見せ始めています。 すでに米債金利は上昇から明らかに下落方向に動きはじめ ており、10年債利回りは3%を割り込む状況です。株価も 当然下落傾向にあり、今週金曜日に予定されている6月 の雇用統計ではNFPや失業率にいい数字がでればインフレ 拡大で株下落、逆に悪い数字がでてもリセッション到来で 株下落を予想する市場参加者が非常に増えている状況です。 案の定独立記念日の休日を通過したNY市場は5日大きな 下げから始まっており、市場参加者の不安のほうがFRB 要人よりも遥かに高まっていることが見てとれる状況 です。 そもそもインフレだけでもそこそこの利上げを実施する だけで本当に抑制できるかは判らないわけですが、そこに 全く方向性の異なるリセッションが顕在化しつつある時 にFRBは果たしてどちらを優先した政策をとるのかに ここから大きな注目が集まりそうです。 リセッション入りなのにこのまま利上げとQTを継続すれ ば株価を中心に相場が中銀の政策起因で大暴落を起こす 可能性もでてきますし、かといってQE5と称して逆に 利下げに転じればインフレは退治できずにこれまたえらい 状況を引き起こすことになりそうで、FRBは本当にこの 2つの重い命題に確実に対応できるのかどうかに関心が 集まります。多くの個人投資家は中間選挙に向けて夏 過ぎから米株は戻りを試して11月を迎えると考えて いるようですがそのようなアノマリーが本当に今年も ワークするかどうかはまだ判らないというのが正直な 状況ではないいでしょうか。一部の米系金融アナリスト は9月のFOMCで利上げを中止し緩和巻き戻しの再 巻き戻しを行うのではないかといった楽観論を出し始め ていますが、本当にそんなに調子のいい政策で解決で きるものなのかが非常に気になるところです。 今回ばかりはやり方を間違えると中銀主導で相場の大 暴落を引き起こしかねないだけにまさにFRBの力量が 試される時間帯になりそうです。

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