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韓国「半導体不況」襲来、外貨準備高4ヶ月連続減が示唆する「経済危機」

勝又壽良の経済時評
  • 2022/07/07
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日本経済後追いで失敗 加工型貿易の限界露呈 ウォン暴落の舞台裏は 米と親密化して救済へ 韓国経済は、これまで滅多に起こらなかった異変が相次いで表面化している。大地震(経済危機)の前兆でないかと緊張感が高まっているのだ。その前兆現象をいくつか挙げると、次のようなデータがある。 ウォン相場が、1ドル=1300ウォンと13年ぶりの安値に落込んでいる。6月の消費者物価上昇率が、通貨危機当時の1998年以来24年ぶりに6%台を記録した。6月の貿易赤字が、3ヵ月連続で続いており、2008年の金融危機以来14年ぶり、などだ。 韓国は過去2回、経済危機に見舞われてウォン相場が急落している。1998年や2008年以来の現象が、連続して起こっているだけに、「三度目の経済危機」か、と不気味さが漂い始めている。極めつけは、対外取引の決済に不可欠な外貨準備高が、この6月末で4ヶ月連続の減少になったことである。3月から6月までの4カ月間で、234億9000万ドルの減少である。短期間に、これほど大幅な減少は極めて異例である。 冒頭から、数字ばかり並べて恐縮だが、韓国経済は見えないところで揺さぶられていることは、過去が過去だけに十分に注意する必要があろう。人間で言えば、「血圧」が異常に上がっている状態である。それも、150をはるかに超えており医師から見れば「要観察」という事態になっている。それでも、韓国で気を揉んでいるのは今のところ、韓国銀行(中央銀行)くらいかも知れない。「三度目の危機」が、起こった場合に備えるべきなのだ。 日本経済後追いで失敗 韓国経済が、過去二度も経済危機=通貨危機に見舞われた背景は、人口が5168万人(2021年)と中規模であることが決定的に影響している。内需依存の経済成長に限界があり、それを補うべく輸出依存で海外に成長基盤を求めてきたことだ。韓国の場合、日本と張り合う精神が異常に高く、日本に歩いてきた道(輸出)をそっくり真似てきた。それが、対GDP比での輸出依存度を高めることになった。最近のデータを見ておきたい。

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  • 勝又壽良の経済時評
  • 経済記者30年と大学教授17年の経験を生かして、内外の経済問題について取り上げる。2010年からブログを毎日、書き続けてきた。この間、著書も数冊出版している。今後も、この姿勢を続ける。
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